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Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

The False of "IPCC Climategate" - 『温暖化懐疑論』という言説への懐疑。

2009-12-05 09:12:07 | Science
□ Climatologists under pressure p545
英国の電子メール流出事件は科学的な陰謀ではなかったが、国民の厳しい監視の
目にさらされる中で、気候変動研究をいかに支えるべきかを示している。

doi:10.1038/462545a
http://forcast.emailalert.jp/c/aciVac7D5OxC49at



□ 温暖化科学の虚実 研究の現場から「斬る」!(江守正多)

>> 過去1000年の気温変動の虚実(09/11/27)



□ 『懐疑派』による「温暖化データ捏造」という疑惑の捏造。

>> http://transact.seesaa.net/article/134031815.html
>> http://transact.seesaa.net/article/134001715.html



重大な犯罪行為が露にした重大な科学スキャンダルとして一時的に議論が紛糾した"IPCC Climategate(地球温暖化データ捏造疑惑)"。事件の詳細はリンク先を参照頂きたいが、私の立場における見解はその何れかに属するというわけではないと断っておく。ただ様々なソース(慎重な見解、偏向的な見解)に目を通すと、これが決して「主流派」vs.「懐疑論者」というレベルの「科学的論争」とは言うに耐えない代物であろうことを理解するのに時間はかからない。



顛末としては、ハッカーが盗難した文書から切り貼りされた「懐疑派の主張を裏付けるデータ」そのものが、剽窃と歪曲を重ねたものであること。そして、今回指摘されたデータの「異常」は、2007年のIPCC第4次評価報告書においてとっくに修正され、周知されていたものであったということ。(それを織込み済みで、人為的温暖化ガス要因説は高い確度を保って検証されている。)


紛糾点となった温暖化グラフの「ホッケースティック・メソッド」のトリックについては、主流派と懐疑派双方がもっと冷静になって真偽を見定める努力が必要だろう。

ちなみに、今件を受けて「アル・ゴアがCO2温暖化要因説を破棄した」と吹聴する向きもあるが、それは全くのデタラメである。

>> http://worldbbnews.com/2009/11/gores-spiritual-argument-on-climate/

彼は二酸化炭素も「含めた」(実際に大きな要因を占めるとしている)包括的な要因究明を求める姿勢を言明しただけであり、どうしてあのような嘘の要約が偏向的に(主にネット中心に)出回るのか不可思議にすら感じられるものである。




人為的気候変動の研究と、環境に対する人為的干渉と制御、更に「温暖化防止」という地球規模を挙げた運動傾向の意義についての私自身の見解は、これまでに当ブログの「環境」カテゴリにてしつこいほど述べ、今なおその視点が揺らぐものではないので、割愛させて頂きたい。



※...特徴として、主流派のデータは気候・地質・海洋という、あらゆる現場の生のデータに依拠する、汎地球的・極微から長時間スケールのシミュレーションに基づくのに対し、懐疑論者の用いる論拠は、画一的なソースからの「局所的な推移」あるいは「極値的なデータ」から孫引きした単調な「否定論」である場合が殆どであり、その支持者の大半がデータを評価するリテラシーを持たない層であることが挙げられる。

「寒冷化」説にいたっては予測や介入の及ばない「太陽黒点説」に依拠しており、その正否は別として「温暖化説」とは乖離したキークエスチョンにあって、「気候変動予測の人為性の検証」というテーマにおいては、そもそも議論の的にすらならない。