lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

equivalent causality - abstract.

2009-11-24 19:07:25 | Science
Equivalence


量子論における観測問題は、宇宙における存在を解き明かす根本原理に関わりながら、未だ議論の紛糾が絶えない命題の一つである。


「波束の収斂」が確率的にもたらす決定論的世界の選択(分岐)。最新科学ではEPR問題の情報因果性による合理性や、「シュレーディンガーの猫」の微小時間的な可逆性が実証され、相対論と量子論の矛盾を埋めながらスタンダードを構築しつつある。

しかし量子や場といった概念の根源的な実在性については、広大不可侵な領域が残ったままであると言わざるをえない。コペンハーゲン解釈最大の「間隙」である、「観測者も系に含めた記述」を完成させようと、現在でも多様な理論化の試みが為されている。


それらの普遍な分岐点として、「観測」に対して「いつ収斂が起こるのか」というポイントが挙げられる。如何なる解釈に置いても、その「因果」の有無が観測問題の要点なのだ。現代物理学においては、この因果を生成するシステムを記述する術が無い。



私は、量子系において「因果」を証明できないものは「因果同値」であると仮定する。(そのダイナミクスは不完全性定理の系外にあたり、カオス系における有限なLyapunov timeをとる。)そこが記述の為のフレームであると考えるのだ。線形力学などにおいて因果の方向性を同値モデルとする概念自体は知られているが、これを量子観測の分野にあてはめる。


「観測行為」から「収斂」は「因→果」であり、「収斂」から「観測行為」は「因→果」であるという、4対1組のユニットを骨子として構造をモデリングする。量子の運動状態は観測結果によって決まる(主観者と関係性を持った時点で顕在化する)とはつまり、『鏡に付き当たったように』量子の運動状態が観測者の行為を決定すると同義となる。そしてこれは物理原理に照らしてより最もらしく聞こえるだろう。



実際に記述されるシステムは、このような同時発生的「因果ユニット」が複数の離散する次元を跨いだ格子連結的で複雑なモデルを形成するだろうと予想する。そして量子の非局所性は、これらのユニットの連結によるフレームとの空間的な関係に依存して決定すると思われる。

離在する要素間に非構造な関係性が生成されるのも、質量が偏在化するのも、上記のシステムに準位した励起エネルギー間の非共変的な連絡が素になっていると捉えることが可能ではないだろうか。