lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

tuning bird.

2007-04-19 18:33:25 | Science
Tuningbird
(IXY DIGITAL L2; Exp.±0; ISO Auto; AWB; Evaluative.)



□ 宇宙の最後を見る方法 - How-To:Seeing the End of Time.

「ブラックホールに落下する。」

・・・その筋では割りと有名な理論。
ブラックホールに落下した物体は、その外縁であるシュヴァルツシルト面(the Schwarzschild surface:[event-horizon])で永遠に時間を凍結させてしまいます。この「永遠に凍結した時間」は、逆に言い換えれば、ブラックホール外の全時間経過を転写します。外から見ると止まったままということは、中から見ると、外に存在していた時間の流れが一点に収束するということなのです。(但し、面上の観察者の実在は、空間短縮によって極限まで薄膜化し、観察者にとって一瞬で終わる。) 

発想を転ずると、事象の地平面は常に宇宙の全時間を上映しているということですよね。「どの時点においても終わっている」のに、「何時飛び込んでも」途中からラストシーンまでを見ることが出来るのです。(『見る』としなくても、観察者の存在-質量が光速で空間に及ぼす作用と言い換えても良い。)一実在の時空間に占める局在性、相対性は、あらゆる質点に及ぶ相互作用に対して固有の状態を生み出します。私たち人間が時間を捉える意識とは何か。それは空間上にバラついた関係性に働くダイナミクスだということが顕著に分かる例です。



□ Clip.

量子力学:局所性か、非局所性か
Quantum mechanics: To be or not to be local pp866 - 867
The experimental violation of mathematical relations known as Bell's inequalities sounded the death-knell of Einstein's idea of 'local realism' in quantum mechanics. But which concept, locality or realism, is the problem?

Alain Aspect
10.1038/446866a
http://www.nature.com/nature/journal/v446/n7138/full/446866a.html

日本語訳文一部転載 : Nature asia-pacific

ベルの定理によると、実在論と局所性(局所的な事象は、空間的に離れた領域の作用によって影響されないことを意味する)を同時に仮定する理論に基づく理論はどのようなものであれ、何らかの量子予測と矛盾する。(中略)したがって、物理的実在論を根本概念として維持するには、局所性を否定する「幽霊のような」作用を導入しなければならない。(中略)そのような非局所的実在論のうちの主要でかなり妥当性の高い理論が、観測されている量子相関と矛盾することが示された。(将来的には)実在性に関する記述の一部を放棄しなければならないだろう。





神経生物学:正義が気持ちいいわけ
Neurobiology: Feeling right about doing right pp865 - 866
Reason and emotion come into conflict in making all kinds of judgements. Results of work with brain-damaged patients constitute one line of evidence that the emotional component is not to be dismissed.

Deborah Talmi and Chris Frith
10.1038/446865a
http://www.nature.com/nature/journal/v446/n7138/full/446865a.html

脳の腹内側前頭前皮質の損傷から、情緒欠損のある患者たちに心理テストを行った結果、正常な人に比べて道徳的判断がより「功利主義」に偏るという現象が見られたという内容。

脳科学的視野に限定しなくても、道徳、良識、規範というものが社会的、生物学的ネットワークにおいてどう定義され、個体の振る舞いに還元されているかという視点からも興味深いものがあります。道徳的行為、あるいは対極の背徳的行為であれ、行為の際には行為者に及ぶ身体刺激が併存、または動機となってフィードバックが起きる。すなわち、人間の築く「規範の縁」において、その内に留まり構造を保持するか、逸脱してしまうかの狭間において、大きな負荷を伴うある種のダイナミクスが働いているような気がします。個体が外れるということは、ネットワーク全体が変位するということ。快楽だからするのか、したから快楽なのか。それらの差異は、自らの振る舞いを鏡に映すかどうかという違いに等しい。