lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

色々な楽譜

2005-08-14 02:31:14 | art music
□ Conjure One Mix Set

http://www.conjureone.com/forum/read.php?f=1&i=12948&t=12948

AOL RadioのタイムテーブルにConjure Oneが組まれたようです。
ちょっと詳細がわからないのですが、Rhys FulberのDJ Setって
ことで良いのかな?8/30に予定されているWhite Label Sessions
にもMix setを用意しているそうで、新曲の他に、"Satellite Girl"
等の未発表曲のプレイも匂わせています。


Schafer
(出典:「楽譜の風景」 >> http://homepage1.nifty.com/iberia/

上のスコアは、ドイツの現代音楽家、Murray Schäferの
1969年の作品、"Divan I Shams I Tabriz"のもの。
どこに時間軸を置けば良いのか全く見当がつきません。
厳密な演奏を定めるには、先ず作曲者自身のメソッドを
理解することが求められます。

下に挙げるのは、Sylvano Bussottiの作品、
Sette Fogli "Mobile-Stabile per Chitarre, Canto e Piano"

bussotti

彼はノーノ、ベリオに次ぐイタリアの第二世代現代音楽家で、
図形記譜のユニークさでも脚光を浴びていた人物。
周りにお星様が出てるよー(T□T

Img_0212

これは手持ちの資料から。(芥川也寸著『音楽の基礎』)
グラフィック譜面の一例で、出典は不明。
象形記譜について言えば、以前紹介したArtificial Memory Trace
もエレクトロ・アコースティックの分野で実践している一人ですね。
この時代、作曲ソフトウェア上で用いられるシンボルそれぞれも
ある意味記譜法に準ずるものだと言えます。

音楽を定量的に記譜する、という行為は実際に喚起される
曖昧な印象の狭義的な一般化であり、解析には有効ですが、
それは音楽の本質とは別の次元にあるように思われます。
作曲者のリテラシーとは、実現されている方法論で
如何に受動者の情動をコントロールするかに尽き、
演奏行為とはイマジネイティブな信号、即ち虚数空間の
現実への挿入として捉えることが出来るでしょう。
これは創り手→聞き手への一方的なものではなく、
実現された方法論が、創り手への干渉を齎す
循環を形成しています。

音楽はあらゆる記譜法によって表現されていますが、
これは遍く音楽が数学的に制限されることを示します。
クセナキスはこの解釈を逆手にとって、確率分布やフラクタル、
集合論を作曲技法に応用していますが、これは従来の感覚先行で
主観的な情動性に基づいて親しまれてきた音楽の歴史体系
からは横道にそれたものだと差別することも可能でしょう。
建築、絵画、音楽という「構造のフレーム」を隔てるものは、
それら自身を区別する礎に注がれた時間、空間、概念で、
それぞれの素子となる質量を構成する単位、次元のパスを
くぐった根源一意なものの振舞いであると思えます。


□ 仮現運動と音階

シェパード音階と呼ばれる無限上昇(下降)音音階は
聴覚が「相対的」に音程を感じていることへの
確証的な一例を示しています。

例えば特定の調波を施したある音"T"の周波数を
440Hzに設定し、110Hzをその成分の最低周波数とみなすと、
110Hzの2のn乗倍の成分が全て"T"として知覚され、
それが上昇音か下降音であるかの判断は、
Tone Chroma(音の調性的な高さ)の円環において
基準音からの距離で齎されるとされています。
これには、成分音のピッチそのものの近接作用が
直接の要因であるという異論もあるのですが、
ここにわかりやすく纏まっていたので御覧下さい。

http://adlib.rsch.tuis.ac.jp/~akira/demo/circular.html

もしかしたらこれらの現象は、それぞれ複合的な理由に
由来している可能性も考えられるかもしれませんね。
しかし何よりも、実際に存在しない物理音が聞こえてしまう、
というのは、以前に触れた大脳生理上で色覚に働く
時間軸の入れ替えと同じく、認識の空間連続性について
「数学的」ではなく、現実の空間において正体を示して
いるという点で、もっとも興味深い事例として挙げられます。
連続性を知覚的に補っているという事実。
生理学的スキームを空間の最小単位への分節可能性
に結びつけるのは安直の謗りを免れませんが。。

…眠いときに扱うテーマじゃなかった。。。orz...