lens, align.

Lang ist Die Zeit, es ereignet sich aber Das Wahre.

Lost in Translation.

2005-06-10 22:52:12 | 映画
───“もう二度と東京には来ない。今回が楽し過ぎたから。” -シャーロット

lost_in_translation

見たのは先週、やっと感想を書く余裕が出来ました(T-T
純粋で危うい文学感覚に長けた女流監督、ソフィア・コッポラが
お互い異邦人として東京で出会った男女の孤独と心の通い合いを、無闇な感情吐露やシチュエーション造りを避けて、
あくまで自然に淡々と描いています。(やや喜劇的描写もありますが)中心舞台となるパーク・ハイアットは私も大好きなホテルで何度か泊まっていますが、映画の通りとにかく外人さんの信頼が厚い場所。劇中でも主役の二人が唯一安らげる所として、大きな存在感を示しています。

"Lost In Translation"とは、翻訳の過程で本来の意味が失われてしまうこと。
この作品の東京の人々の描写は、外人視点だからこそというわけではなく、
実は私達自身が共感できる部分が大きい。誰もが東京で身に沁みて感じたこと
のある寂謬感が全編に漂っている気がする。人々の間にある障壁は
言葉の問題だけではない。ソフィアは東京での実体験で感じたことを
そのまま表現することで、海外映画としてはこれまでにないほどリアルな、
同時に非現実的な感傷に満ちた雰囲気を醸し出すことに成功している。
二人の東京での遊び方は、正に日本人のそれだし(笑)

家庭に疲れ、俳優としても草臥れた中年のボブ・ハリスを
演じるのはビル・マーレー。大学卒業後若くして結婚しながら、
人生に絶望感を抱いている聡明な女性シャーロットは、
監督の前作"ヴァージン・スーサイズ"から繊細な演技を
光らせているスカーレット・ヨハンソン。
別れ際の最後のセリフは意図的に聴き取れないようにしてあって、
鑑賞者が「自分自身なら・・・」と私意を挟むことが出来るけど、
ここでは寧ろその言葉の意味を追わないことが重要だと思う。
大切なことは二人の間だけで伝われば良くて、外からあーだこーだ
言ったものは、もはやそれ自身の意味からかけ離れてしまうから。
本当にここで大事なのは、交わされた言葉の両端にある二人に訪れた結果。
お互いの振舞いの変化そのもの。言葉は常に過程に過ぎない。
結局、「お互いの関係が何であったのか」ということは
「お互いの為に何が出来たのか」ということ以外に由来する処は無い。


□ Tunes of the Day

ephemeral


□ Synaesthesia / "Ephemeral"

Intelligence Dream

Deleriumのサイド・プロジェクトSynaesthesiaの3rdアルバムから。
KARMAの同年に発表されたこの作品は、エスノ・トライバルサウンドを
前面に押し出した正に『裏KARMA』な内容。

2worlds


□ ATB / "Two Worlds"

Enigmatic Encounter (Feat.Enigma)

Enigma方面から意外と知られていないのが、このATBとの正式なコラボ。
Michael CretuのEnigma名義としては、現在唯一の他アーティストとの合作。
このネタも"MCMXC a.D"からの引用で、ある意味"The Screen Behind -
- The Mirror"のフォロートラックという見方も出来るかもしれません。


□ Andy Hunter

GO (Antillas Remix)


                                  _*