ちょっと、珍しい十一面観音石仏が奈良山之辺の道、萱生(かよう)町に在る。
歴史好き、奈良好きにはお馴染み、山之辺の道萱生(かよう)町は古墳群に囲まれ、古い佇まいを良く残す環濠集落。
そんな集落の中心に位置する天満神社境内は児童公園にもなり、集落の会所にもなり、片隅には石仏が並び立てられて居る。
一列横隊に建ち並ぶ石仏は右から、大きいものだけでも「役行者」「庚申さん」「十一面観音」とまるで脈絡無しのバラバラ状態・・。
この地には神社と共に神宮寺も併存していたのだろうと思わせる様に、小石仏も多く並んでいる。
小石仏の真ん中に立つ十一面観音石仏は大きい幅広の舟形光背を持ち右手錫杖、左手蓮華瓶の所謂長谷寺型十一面観音立像。
奈良には多いキツネ目を持ち、総高ほぼ1m、像高80cmの中肉彫り。
光背面にはしっかり天文2年(1551)の刻銘が在り室町後期の像立。
向かって右端にはこんな役行者石像、前の花立には天満宮御宝前とあって神仏混交が窺える。
華奢な足許を岩座垂らしているが、こんな足許では山岳修行など、おぼつきもしないだろうに・・・・。
江戸時代も中期以後の造立だろうか・・・、体躯が妙にアンバランスです。
こちら庚申さんの青面金剛像、高さ約60cm足らずで、江戸時代の造立ながら中々しっかり彫られて居ます。
大和の古い在所に残る石仏さんたち。
撮影2011.5.21