愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

交野市星田 六呂の石仏

2012年06月21日 | 石仏:大阪

平板状の切石に向かって右には阿弥陀、左には地蔵を刻みだした星田型双石仏です。 

JR星田駅のすぐ傍、自転車置き場前の新興住宅脇を流れる、コンクリートで固められた側溝内に立つ石仏さん。

一昔前までは田圃脇を長閑に流れる小川の土提に立っていたのだろうが・・・・、それも今は昔、何の因果か?こんな民家の裏に挟まれた溝川に、粗末なコンクリートで固められています。

お詣りする人など誰一人居ないのか・・、全く人の来た気配もありません。

この辺りは一昔前までは六路の名で呼ばれ、東高野街道の辻場で、星田邑の入り口にも当たる処だったようです。

石仏は高さ約85cm、幅約55cm、方形板石の表面に、蓮台に立つ阿弥陀立像と地蔵立像を並べた双仏石で像高共に約47cm。

右手来迎印の阿弥陀と、左手定型地蔵は共に円頭光を持ち、豊かな表情で微笑んでいます。

体躯の衣文や蓮華座の様式からも造立年代は室町後期と見られる。

この石仏は昭和50年代、この宅地造成で掘り起こされ、ここに置かれているようです。

小川の洪水で埋もれてしまうまでは、歯痛地蔵として信仰を集めていたようですが、今では誰一人訪ねず、それが証拠に赤い涎掛けは外さなくても、元から有りません。

撮影2012.6.17