星田型石仏に良く似た形態は持つものの、少し趣の違う石仏が星田地域の墓地に有る。
星田妙見口交差点のすぐ南東側、新興住宅の谷間に埋もれる様にして真言墓と呼ばれる光明寺の檀徒墓が有り、墓地入り口に近い小さな木陰に一際目を引く石仏が立っている。
大きな切石を組んだ供台を前にして立つ凛々しい顔つきの阿弥陀立像は、星田型石仏に良く似て平板石の表面に刻まれている。
石材の総高約110cm、像高約85cm、厚肉彫り細身で背面には線彫りの二重光背を持つというが殆ど見えません。
左手は下げ右手は肩先で来迎印を結ぶ、蓮華座は厚肉で彫り出すが、風化が激しく詳らかではない。
厚肉出彫り出した尊像は具象的で細部まで良く表現され、衣文の流れも自然で優雅です。
尊顔は切れ長の目が凛々しく、造立年代として鎌倉後期~南北朝期が当てられる。
新興団地の谷間の荒れ墓地に、何語る事無く佇んでいます。
撮影2012.2.21