団子鼻にタラコ唇、なんとも親しみやすい顔付、奈良市街地を少し外れた史跡「伏見崗」に残された阿弥陀石仏。
前回紹介の「尼ヶ辻地蔵石仏」より僅か西へ100mばかり、最近新しく造成された阪奈道路への進入路と旧三条大路との分岐点、その間に挟まれた旧「伏見崗」に真新しいお堂が建てられ阿弥陀石仏が祀られている。
堂内中央に祀られた石仏は総高約2mの舟形光背を持ち、蓮華座上に立つ等身大の像高152cm、厚肉彫りの阿弥陀立像。
因みに無銘ですが鎌倉後期の造立だと言われています。
頭光に単弁蓮華文を刻み、右手は肩先に挙げ指を丸め、左手はまっすぐ膝先に下げ所謂来迎印を結び、頭部は大きな螺髪を刻んでいます。
衣文の流れもわざとらしさが無く体躯は重量感に溢れ、目の前で見ると、とにかく大きく感じます。
親しみやすい顔付きながら、落ち着き慈悲深い尊顔は西方浄土から迎えに来る来迎阿弥陀にふさわしい。
それでも正面から見るとどこか崩れていて少しは気が抜け・・・・、それが又良い。
目と鼻の先に有る「尼ヶ辻地蔵石仏」と共に素晴らしい古石仏です
新しくつけられた道路により往時の景観はすっかり変わり、当時を偲ぶの物は堂内に残されたこの写真だけ・・・・・。
撮影2011.7.5