五体しか無いのに六地蔵とは、これ如何に??・・・・
前回紹介の御杖村神末から少し国道を室生方面に戻り、曽爾村との村境近くで「三季館」の看板を目印に左折すると、やがて廃校の小学校を利用した宿泊施設に出遭う。
この辺りが桃俣の中心辺り、小川沿いの僅かな田圃の脇に点々と、過疎化の進む山里の民家が建っている。
三季館をやり過ごし車を捨て置き、最初の辻を山に向けて歩くと、一番奥、民家裏の斜面に突き出た大岩に石仏が刻まれている。
石仏の前には三基の小さな五輪塔が置かれ、この地には廃寺になった寺でも有ったのだろうか??
磨崖の石仏は現存五体、整形もせず粗い岩肌に中肉彫りの地蔵立像。
六地蔵と言いながら向かって右から二体目はちょうど岩が断裂した裂け目にあったのか御覧の通り確認出来ません。
岩肌一面に地衣類が纏わり、おまけに粗くて脆い石質、像容などと言えた物では有りません。
蓮華座に立ち像高約30cm強、室町後期の像立だとされていますが・・・・、なんとなく地蔵だと分かる程度。
それでも出遭えると嬉しい磨崖の石仏さんです。
帰り様、国道筋に出るまでの道路脇、斜面の岩を龕状に穿ち、地蔵石仏が安置されているのに出遭った。
右手錫杖、左手宝珠の定形地蔵、細身の舟形光背、長身で頭でっかちの一寸したり顔・・・
中々しっかりした像容ですが蓮坐が埋もれてしまって、造立年代は良く分からない。
撮影2011.7.17