愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

交野市私市(きさいち) 西念寺墾田(ごんでん)地蔵

2012年06月15日 | 石仏:大阪

我が家からは西方に車で10分も走ればそこはもう大阪府、そんな京都や奈良と県府境を接する交野市は独得なローカル色を持つ野仏の多い土地として知る人ぞ知る。

行政の民俗歴史資料も豊富で石仏ファンには嬉しいところです。

JR学研都市線河内磐船、京阪交野線河内森駅のいずれからも歩いてすぐ近くの田圃の中の旧在所の中に浄土真宗西念寺という寺が在る、

山門を潜って左脇、境内に覆屋を設え墾田(ごんでん)地蔵と呼ばれる地蔵石仏が、八体の阿弥陀小石仏と共に安置されて居る。

往時、この地蔵は西念寺の北側に有る墾田筋に立って居たもので「墾田地蔵」の名で呼び親しまれている。

砲弾型とでも呼べそうな細い舟形に整形した荒目の花崗岩に蓮台共々、細身の地蔵立像を中肉彫りで刻み出している。

地蔵石仏は、総高約120cm、像高約80cmの定形中型、足許の蓮台が写真のように飛び出していて珍しい。

残念ながら石質が粗く脆いらしく、風化磨耗が激しく、詳細までは解らなが、全体の像容から室町中期の造立だとされている。

西念寺の山門前、民家の脇ににも小さな堂が在り、小石仏が祀られている。

下部は供台が邪魔をして判然としませんが、幅広の舟形光背を持つ定印阿弥陀如来坐像、形式化した室町後期の造立。

総高約50cm、像高約30cm、糸のような細い目で微笑んでいる。

撮影2011.4.21