京終の街中、建ち並ぶ家並みの中に京終地蔵院があり、この阿弥陀三尊石仏が祀られている。
「京終」と書いて「きょうばて」と読む、関西でも難解地名として知られているようです。
勿論、平城京の南端に位置しているところから、京の果てる処として京終の字が当てられ、そのような呼び方に成ったのだろう。
JR桜井線京終駅より北へ200m、街中の路地通りに一見民家と見紛うような京終地蔵院が在る。
この阿弥陀三尊石仏は元々この寺に在った物ではなく、此処より南西の辻堂に「京終阿弥陀」と呼ばれ、祀られていたようです。
現在この地、地蔵院に付近から集められた小石仏と一緒にその中心に安置されています。
大きな供台には辻堂石仏だった事を裏付けるように辻堂御前の文字。
石仏は、上部を欠損してるものの現高175cm、幅102cmの大きな舟型光背を持つ阿弥陀三尊で、二重蓮華座の上に立つ三体共に立像です。
中尊阿弥陀如来は厚肉彫りの端正な体躯を持ち像高130cm、来迎印を結び蓮弁頭光背を負う。
左右に其々像高80cmの観音・勢至菩薩立像を配し、その彫りは流麗にして写実的で見事です。
その像容から鎌倉後期~南北朝期頃の造立だとされています。
少し童顔で丸みを帯びた中尊の穏やかな顔付はどこか親しみが湧きます。
京終と言う地に在って、衆生を極楽浄土へと導く石仏だったのだろう・・・。
撮影2011.7.5