愛しきものたち

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慶尚北道慶州市 南山茸長寺谷石仏坐像/磨崖如來坐像

2011年10月23日 | 韓国 石仏:史跡他

この石仏達には去年、この南山に登った帰り道に寄る予定だった石仏。

大邱(テグ)から慶州(キョンジュ)に来て、いの一番に遭いに出かけた。

昨日のきつい山登りの翌日一番の山登り、少々疲れ気味の女房の小言を聞かぬふりしてまたまた山登り・・・。

市街からタクシーで約20分、南山中西部山裾に有る茸長里邑の奥、茸長寺址への登山道入り口までつれて来て貰った。

この谷は昨日に比べればまだまだ穏やか、谷筋道のあちこちに石積が見られます・・・・・、整備されたハイキング道とは言えこの程度・・・。

途中何度か迷いそうに成りながらも、ネットガイドで何度も読んだロープ伝いの岩場に辿り着く。

此処まで麓の村から約一時間半・・・・、昨日のように人と出遭うことも無い。

ロープ伝いに登りきった小さな台地に先ず目に飛び込むこの姿。

もう何度写真で見たことだろう、今こうして目の前に現実としてあるこの見事な円盤状台座を持つ石仏・・、しかし頭部は欠損、いかにも惜しいと言うか悔しい

三層を持つこんな円盤状台座にはお目に掛かったためしがない。

最上部台座と仏身は一石で造られその台座には見事が蓮華がぐるっと彫りめぐらされている。

基壇部は自然石を利用、その上の初層と二層目は石塔のそれに準えられ石仏の台座とは言わないようですが??

それにしても特異な様式でその不安定さからか??過去に何度も崩れ落ちたようです。

総高約4.5m見上げるほど高い台座に座する仏身は結跏趺坐する像高約1.5m弱、首無し坐像。

見事に流麗な裳裾と背後の三段重ねの蓮弁も見掛けた事がない・・。

頭部欠損のため想像するしかないが通肩衣の僧衣から僧形石仏ではなかったか??と言われています。

統一新羅造立、宝物第187号指定。

一方、ちょうど台座のような岩盤上の斜面から突き出した岩には磨崖如来坐像。

ちょうど三角握り状、大岩の正面中心部に二重光背を持ち、左手は膝の上にのせ、右手は下げて降魔触地印を示す。

台座は中央に大きく刻んだ蓮弁、左右は上向き蓮花を細長くを長く刻み付け

その上に大きく膝を張り、結跏趺坐する如来坐像をレリーフ調の薄肉彫りで刻み出している。

頭部は螺髪(らほつ)で、穏やか笑みをを浮かべながらも、引き締まった顔付で緊張感が伺える。

肉感豊かとはいえないが衣文は繊細に表現され、活気に満ちたものと成っている。

像高1.6m、統一新羅時代8世紀半ばを代表し、宝物第913号指定。

 

因みに此処は茸長寺の高僧が庵を結んで棲んでいたといわれています。

この石仏前の岩から見る里山は日本のそれに殆ど変わらない。

ただひとつ韓国の山に、あの杉の植林は無い。

撮影2011.10.2

場所