愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

全羅北道南原市 新溪里磨崖如来坐像

2011年10月18日 | 韓国 石仏:史跡他

雨の日の翌日は爽快に晴れ渡る青空が特に蒼く、韓国全羅北道田舎周りの旅をより印象強いものにしてくれた。

しかしこの日からメインカメラは失っての片肺飛行になってしまった。

まるで大和の白鳳仏そっくりのその顔容、やっぱり此処は飛鳥のふるさと・・・あの「国宝山田寺仏頭」にも瓜二つ。

この朝早くに益山のモテルからKTR全羅線で約一時間足らず、南原駅に降り立ち先に遠方の1箇所を廻り、昼一番にタクシーを拾いここまでやって来た。

市街からそう遠くは無いけど、運転手のアジョシには悪いような悪路の山道、ボディーを擦り、腹を打ちながらもこの石仏の有る参道入り口まで連れて行って呉れた。

あの運転手のアジョシには感謝感激です。

参道といえど松林が広がるただの山道、建物らしいものは何も無く10分ばかし斜面を登ると石垣を詰まれた台地状の一角に石仏の頭が見え出してそれとわかる。

こちら韓国では見慣れた大きさだが・・・・やっぱり大きい。

斜面台地に突き出した大岩自体を彫り刻み、光背と共に一つの石で造成したマエソクブル(磨崖石仏)・・・。

総高3.4m、統一新羅時代の石仏様式を良く踏襲した高麗初期の造立だとされている。

 岩全体を光背に見立てその前面を丸彫り近く深く彫り刻み、岩盤をそのまま台座とした上に如来坐像を彫りだしている。

円形頭光には単純化された11枚の連弁、外部には連珠紋帯、さらに火焔紋を全面に配している。

全体的に保存は良く、戦乱の影響を受けた形跡も見出すことは無い。

豊満できれいな顔に豊かな表情、量感豊かな体躯は大和の白鳳仏を彷沸とさせてくれる。

手印は特殊な古式で如来には違いないが仏名まではわからない・・・。

韓国の場合そんな時は大抵ミロクブル(弥勒佛)、韓国宝物第423号指定に指定されている。

撮影2011.9.30

場所