高速道慶州ICのちょうど裏側に当たる村外れから、かなり山道を奥に進んだ緩やかな斜面の小さなお堂の背後に静かに佇んでいました。
石仏が山ほど残る慶州の町外れ、小さな邑の山中深くに在るこの磨崖石仏を訪れる人など余程のマニア以外はいないようです。
山奥の小さな駐車場から約10分、山肌を拓いた台地に小さく簡素お堂、それでも寝起きする聖職者は居る様です。
お堂脇の短い石段を登り詰めると山肌に立つ大岩に磨崖三尊石仏。
阿弥陀三尊だと言うが、あの日本の定印阿弥陀を見慣れた僕には如何もしっくり来なくて、弥勒と呼ばれたほうが頷けるような??
右手は下に自然に下げ、左手は胸の前で親指と中指を合わせている。
すらりとと伸びた体躯は蓮華座の上に立ち像高約3.2m、こちらで良く見かける新羅様式の二重光背。
顔容は穏やかにわずか下方を向け、目は少し開きぎみ・・・衣文は薄く流麗にあらわされている。
斜め横から見ると伏せ目がちの目に慈悲深さをたたえ、よく引き締まっているが、わずかに微笑んでいるようにも???
向かって左手の勢至菩薩像??
向かって右手の観音菩薩像??・・・共にスリムな体躯で女性的な表現ですが手尊に比べ風化磨耗が進んでいます。
此処から慶州市街を挟んだグルブルサジ(堀佛寺址)石仏と良く似ていて、統一羅時代の代表的な作品だと言われています。
撮影2011.10.3