ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ドボルザーク、ピアノ五重奏曲第2番 イ長調 作品81

2016年09月22日 | レッスンメモ
めっきり朝晩は冷えるようになり秋も本番になってきました。そろそろ室内楽がピッタリの季節ですね。ピアノが加わる室内楽はたくさんありますが、今年の11月のUNOの定期演奏会では、ドボルザークのピアノ五重奏曲をお届けします。

私はアンサンブルは学生の頃からずっと大好きで、特にアメリカ時代にはトリオを組んで、本番をこなしつつ、毎週のように3人で合わせ練習を楽しんでいました。日本に帰ってからは、弦の方々とのアンサンブルは、ずっと機会がなくて寂しい思いをしていました。今回私にとって久しぶりのアンサンブルが実現できて、しかも五重奏曲ということで張り切っています。

ドヴォルザークはチェコを代表する作曲家。スラヴ舞曲でブラームスに才能を見出され、人気作曲家となり、後には当時の新興国アメリカに破格の高給で招かれて、クラシック音楽の普及に貢献しました。そのときの滞米経験にインスパイアされて書かれたのが、かの有名な交響曲第9番「新世界から」です。

さて、今回私達が演奏する「ピアノ五重奏曲第2番イ長調」は、ドボルザークの名声がヨーロッパで確立され、作曲家としての地位が不動のものになった頃(1887年、46歳)の作品です。楽器は、ピアノ、ヴァイオリン2台、ヴィオラ、そしてチェロで構成されます。今回は前半を省略して3楽章と4楽章を演奏します。

第3楽章はスケルツォです。テンポの速い活発な舞曲で、親しみやすいメロディがヴァイオリンからピアノへと受け繋がれ華やかな曲になっています。ボヘミアの民族舞曲で3拍子と2拍子のリズムが交互に出てくるフリアントの特徴が取り込まれています。第4楽章はピアノと弦楽器の11小節からなる序奏で始まり、その後軽快な主題が繰り広げられます。中間部ではボヘミアらしい哀愁漂うメロディが出てきて、展開部で主題のフーガをそれぞれの楽器がつなぎあい重ねあって盛り上がりをみせます。コーダ(終結部)ではピアニシモからフォルテシモへと見事なクライマックスを迎えるという構成です。

第3楽章は弾いていても、聴いていても心躍るもの。どんなに気持ちが沈んでいても、きっと楽しくなります。第4楽章の方は、最後の楽章にふさわしく、2拍子の軽快でスピーディーな曲ですが堂々としたものです。最後のクライマックス、上り詰める高揚感が出せたらなと思います。皆様、ぜひ聴きにいらしてください。
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第45回記念演奏会 グループUNO
2016年11月5日(土)、19:00開演
iichiko 音の泉ホール
チケット:一般、2000円(当日券2500円)
     学生、1000円(当日券1500円)
主催:グループUNO
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