ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

体幹の大切さ

2015年06月09日 | レッスンメモ
ピアノを弾くというのは、指を鍵盤のキーに触れさせてキーを押すということに他なりません。だから自分の指先のキーに接するところが一番肝心なので、自然とそこに意識と注意が向かうのは当然です。だけれど、その指先は、手のひら、手首、腕、肩、背骨から足腰まで、結局のところ身体全体に繋がっています。身体全体をうまく使って一本一本の指先に集中し、コントロールするのがピアニストです。繊細で素早い指の動きを、身体の他の部分が邪魔しては台無しです。そもそも土台がふらふらしていると、安定的に指先の繊細なコントロールなんて出来ません。体幹がしっかり定まっていないと、たとえ同じ曲の同じ個所でも、弾くたびに鍵盤と自分の身体の距離が違ってきたりします。鍵盤に伸ばした腕の角度が毎回違ってきたりします。これではどんなに練習を繰り返しても本当の意味の繰り返し練習になっていません。毎回違った弾き方を強いられているようなものだし、この次はどんな弾き方になるか自分にも分からないということになってしまいます。これでは練習の効率が上がりません。

スポーツの世界では「体幹」を鍛えることの大切さがさかんに言われていますが、これはピアノを弾く人にとっても同じように大切なことです。こんなこと今更言わなくてももうみんなよく知っています。ただ、このことが実際にきちんとできているかというと、それはまた別。指先の動きに身体が振り回されているような弾き方になってしまう子もいます。

体幹を意識していつも安定した土台の上で手指を踊らせましょう。とはいえ、これも他の指導ポイントと同じで、頭では分かっていても身につけるのはなかなか難しいですよね。体幹というのは指先から遠いので、ついつい意識から外れがちになってしまいます。曲に集中すればするほど、姿勢や身体の使い方(体幹がしっかりしているかどうか)なんて、意識から飛んでいっちゃいますからね(経験者は語る)。それでも実際に生徒たちに、特にそのことに注意してしっかり意識して弾いてもらうと、出てくる音がとたんに素晴らしいものになったりすることがあります。だからやっぱり体幹をきちんと意識して練習することは必要です。そしてそのときの身体の使い方を身体で覚えてほしいのです。本番ではそんなこと意識するヒマなんてないわけですから、これはもう日頃の練習で身体で覚えるしかありません。

毎回弾くたびに姿勢が定まらず、動き過ぎとか肩が上がり過ぎという生徒には、体幹のことを最優先に意識して練習させてみることも必要です。そのとき、「お!この音!」という音がでたら、それを何度も何度も繰り返して身体に、体幹に覚え込ませてほしいのです。体幹がしっかりしているときの音とそうでないときの音。この違いを体感してもらう。これが大事です!
 
ゴージャスなトルコキキョウと可憐なラン。どちらも花もちがよくて存分に楽しませてもらっています。


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