Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

地中海を臨んでの幸福感

2012-04-10 | アウトドーア・環境
お目当ての岩登りは昨年以上に登った。天候が悪かったに拘らず、水温・気温が低くカヌーに乗る気が起こらなかったのが幸いして、登ることに専念したからだ。最初の気温降下で皆に疲れが感じられてアヴィニョン観光に切り替えた後は乾いた岩を求めて登った。

お目当ての新しいファイヴテンの靴の評価は、磨かれた縦縞の溝に効くというものでは全くなかったが、精緻さが増した加重の可能性を使うことでつるつるの石灰を克服することが出来た。逆に以前のスカルパの靴のように適当に摩擦を効かして登ろうとすると滑って腕に切り傷を作った。なによりも丁寧さが要求されて集中が強いられる分、的確さが増す。

その靴をもってしても克服できなかったのは、三箇所ぐらいあった。一箇所は40M伸びる凹角で、これはむしろ右手の関節の負傷とその時点で強い直射日光に意欲を失った。次の一箇所は、朝一番で全く摩擦に自信がもてなかったつるつるの場所であった。もう一箇所はどうしても手掛かりの関係でバランスが取れなかった。その反面、それらを観察していた同行した80年代に南プファルツで初登攀を繰り広げた相棒の講評がとても参考になった。自分では気がついていなかったのだが、足首の使い方が身長差の10CMを完全に埋めるような踵上がりの使い方に慣れてきているようで、本来ならば十分な摩擦を保てない角度でも問題なく立てるという技能のようである。なるほど冬の間にこうした手練手管を自然に身につけたのだろう。

靴の履き心地は神経を使って登っていると気温や直射日光で厳しくなってくるのであるが、一度こうした精妙な靴になれるといい加減な靴では物足りなくなっている。同じ靴の韓国で縫い合わされた靴を使っている女性の様子を見るとやはりゴムの張替えのときにもう少し摩擦が効き易いとよいと感じた。要はこのシーズンで何処まで履き潰せるかに掛かっているようで、そこまで履きこなせれば、先ずこの靴の求めているレヴェルには十分に達せそうである。前記のヴェテランには何処そこを登ってみろと恐らく自らが初登攀した場所を勧められたのはとても光栄なことである。

そのような状況で当初の目標を達したような達せなかったような微妙なところであるが、一年前には大変苦労していただろう場所も初見で綺麗に登りつくせるようになっているので、今年挑戦して適わなかったレヴェルも必ず克服できる感覚は掴めた。なによりも、地中海とワインの地所を眺める岩場への遠足の素晴らしさは書きつくせないほどの幸福感があった。

技術的にも体力的にも大変自信がついたので、先々週の水曜日の石切り場に続いて、大分練れてきた。但し、体と筋力のバランスでもう一つからだの重さを感じる場合があって、体をもう一つ引き締めなければいけないと実感した。手首を直して、怪我さえしなけらば可也上達しそうである。



参照:
垂壁の5.10への米国製靴 2012-03-22 | 雑感
時差ぼけが続く春である 2012-03-29 | アウトドーア・環境
地中海の海岸に遊ぶ 2012-04-09 | アウトドーア・環境

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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バカンスでしょうか。 (Saar Weine)
2012-04-10 13:36:13
pfaelzerwein様、こんにちは。楽しんでおられるようですね。


ご自宅から全てお車だったのですか?
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列車移動とレンタカーを使うと楽 (pfaelzerwein)
2012-04-11 14:55:51
車移動です。スペイン国境まで行くとなると1000KMとなります。

フランクフルト・マンハイムからのTGV路線が整備されてきているので、列車移動とレンタカーを使うと楽になるかと思います。

途中、ブルゴーニュによる位置関係でないのが残念です。
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