Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

胸が高鳴るほどの期待

2024-03-29 | 
ブラームス交響曲四番の二種類の録画を比較した。逐一はまだ聴けていないのだが、全体の印象はよく分かった。既に書いたようにサントリーホールでの演奏録画はその音響から音の輪郭が暈け暈けになっているのだが、比較するとそのアンサムブルの程度は比較に為らないほど素晴らしい。勿論コロナ期間中のコロナ配置の録画などは最早比較の対象ではない。

サントリーホールでの合わせ方は歴代のものであれだけのアンサムブルはコンセルトヘボ楽団でも弦は合わせられていても管があのような三度や六度の合わせ方が出来ていた筈がない。なるほどベルリンのフィルハーモニーでの録画は輪郭がはっきりしているので上に下への重なり方が分かるのだが、全然イントネーションが合わせられていない。ベルリンは練習公演でしかないというのはいつもの通りであった。

まだ金曜日の車中も含めて何回か繰り返せるかも知れない。月曜日の公演はチェックアウト前の軽いものなので先ずは金曜日に全力を傾けたい。シベリウスの方はリサ・バティシュヴィリのグアルネリ「デルジェス」は特にこの曲のG線からの低域からとても魅力があって、これだけ音域が広い協奏曲に素晴らしい。そのどちらかというと短絡なソロに如何に管弦楽がつけてくるか、そこが聴きどころとなるだろう。

ブラームスの四楽章のパッサカリア変奏曲に初めて数字を書き込んでみた。流れを把握するには足しになるかもしれないが、さてどうだろう。兎も角アントン・ヴェーベルンの作品などに馴染んでいる者にとっては、この交響曲程貴い作品はないと思う。それを明白にするのはやはりシュタインバッハ版への注視が欠かせないと思う。

今回ダイシンがこの曲をリードしてくれればただ単に輪郭がはっきりするだけでなくて、対位法的な絡みが更にシャープに立体的に響いて来ると思う。とても期待したい。胸が高鳴る。

三楽章のハ長調のコントラファゴットやトライアングルの使用は、先日ハイデルベルクの講演で聞いた当時の軍楽隊はゲヴァントハウス管弦楽団などよりも立派な演奏をしていたという話しに通じる。ヴィーンの伝統だけでなくてやはり当時の音楽的なトレンドがこの曲に刻印されていると考えるのが正しいかもしれない。

序ながら、ニールセン作曲「マスカラーデ」のブルーレイを発注する序にウィッシュリストに入っていたマルリス・ペーターセンの四枚組CDボックスを77%引きへと更に安くなって10ユーロ以下で発注。彼女が「死の街」で大成功していた時期の制作録音の歌曲集でとても評判がいい。それを合わせて33ユーロがマイクロソフトのエッジでの自動割引計算で更に8%割引で31ユーロ以下で購入できた。

ブルーレイプレーヤーを持っていないのでリッピングしてコピーしておかないと観れないのが不便であるが、今更同じ価格でDVDを購入する必要は無いと思っている。愉しみである。ミュンヘンの録画の方が中々商品化されていないのでこちらで留飲を下げる。



参照:
待ちかねたその出来 2024-03-28 | 音
七艇のコントラバス 2023-11-12 | 音
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