Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

コロナ対策でモーツァルト

2020-06-05 | マスメディア批評
ドルトムントからメールが入った。日曜日に開催する再開後世界で最大級の演奏会の残券があるという知らせである。人気女性指揮者ミルガ・グラツィニーテティーラがベルリンの交響楽団と客演するというものだ。元々のプログラムは知らないが、ベートーヴェンなどの小編成にして二回公演となっている。一回に四分の一しか聴衆を入れないので、二回やっても半分の入場料収入となる。交響楽団で半分も入らない演奏会は興業的には厳しい。ペアー席と一人席を別けてネット販売している。少しでも数を入れようとしている。

水曜日の夜は、歴史的指揮者エーリッヒ・クライバーの最後の演奏会と銘打ったWDRでのアーカイヴ録音が流れた。先月息子の人気指揮者カルロス・クライバーの演奏会も流れたが、比較の上でも興味深かった。更にリハーサルの時にテープを回していたのが残されていてこれもとても興味深かった。1890年生まれなので世代としてはフルトヴェングラーなどと同じだがそうした先進性は全く無く保守的であっても1876年生まれのブルーノ・ヴァルターなどよりは新しい。それでも同年齢のフリッツ・ブッシュとか四つ下のカール・ベーム世代のノイエザッハリッヒの演奏様式に近いがまだまだ保守的だ。

練習風景の様子も現場の人らしくベーム博士のような高飛車な言い方ではない。権威主義のようなものに反感があったようで、ドイツを後にしているので、こういう父親がかえって家庭では大きな権威を持っていたのは想像に容易い。演説等でも述べているように楽曲や創作に対する敬意は間違いなさそうだ。ダルムシュタットから始めたようだが、マンハイムにもいたのは知らなかった。

あの当時の人がモーツァルトへと傾倒していくのは音楽芸術史的にも分かるのだが、「モーツァルトで健康に」というのは二十年前程に流行っていた音楽療法の奔りなのだろう。そうした論文が沢山出ていたのだろう。モーツァルトの変ホ長調の交響曲のフィナーレ導入やコーダへの副楽想への言及など、この愛情を感じさせるものでこの指揮者がそのように仕事をしていたというのがよく分かる。息子のカルロスにおける作品への拘りと非常に似ていると思う。

番組紹介には載っていなかったが、それによって父親が間違いなく息子とは異なり歴史的としている初演作品「ヴォツェック」の断章が流れた。調べてみるとその後にBRでの実況があって、そちらの方が遥かにいい演奏だった。此の侭真面目にやればモノになるとされたWDRとBRではやはり力量が違ったのだろう。

豚の鼻の量が多過ぎたので前夜に生姜醤油のシイタケと煮込みにして冷やしておいた。上手く煮凝りになっていたので、偶々見つけた青梗菜の上に乗せた。本格的な中華料理になって満足だった。青梗菜が三切れあったので、一食は本格的中華そば、一食は柳麺でどうだろうか。



参照:
ここが辛抱どころ 2020-04-04 | 生活
ツルツルピカピカに 2018-04-17 | 文化一般
コメント
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