日々・from an architect

歩き、撮り、読み、創り、聴き、飲み、食い、語り合い、考えたことを書き留めてみます。

初冬の1日

2016-12-18 21:05:45 | 添景・点々
昨土曜日、娘が来宅し(帰宅と言いたいものだが!)なかなか魅惑的な干支・とり(鶏)の姿を、勢いのある筆致で描いてくれた年賀状作成を取りまとめてくれた。夕刻僕は、伊勢原の若き友南野さんと、駅の近くの「寛屋」で一杯やることになっていた。忘年会である。

ところで4日前に伊勢原にある東海大学病院での検診に赴いたものの、薬局へ立ち寄るのをうっかりしたので薬を取りに行くことにする。
ところがこの第3土曜日は4時で閉局。3時半に着いたものの、何時もはほぼ満席の待合室が空っぽ、担当者と不思議な感じですねえ!などとニコヤカに言葉を交わす。
時間が余っているので本館の巨大な待合室へ、吹き抜けになっている上部から夕刻とは言え光が差し込むものの支払機にはカバーがかぶせられていて、ただ一人隅っこのソファーに腰掛けて本を読んでいる男が居るだけ。時折白衣の若き女性が、待合スペースの椅子に腰掛けている僕にチラッと目をやりながら通り抜けていく。

人が居ない大空間は異様。15分ほどぼんやりとその異空間を味わっていたが、どうも居心地が悪くなって駅まで歩いて行くことにした。ふと思い立って246号を横切って市民会館へ、閉鎖されていたがその前の図書館に入ってみた。入り口の近くに大きなテーブルが連なっていて居て、数人の閲覧者が書籍にのめりこむように読みふけっている。

僕が書架から取り出したのは、「キネマ旬報」。映画監督・松山善三(今年の8月27日に91歳で死去)特集を拝読。デビュー作の、懐かしき `名もなく貧しく美しく` などの一文を読みふけり写真にも目をやる。
閉館の時間が迫ってきたので退館してブラ歩き。若き日の、建築家としてのデビュー作となった駅に近い小田急沿線沿いに建てたKUNO BLDの様子を確認したりした。コンクリーと打ち放しの外壁にも異常がなくてホッとする。

そして、待ち合わせをした伊勢原駅へ。笑顔で四方山話をしながら「寛屋」へ!ということになった。この飲み屋の主は、南野さんの中学時代の同級生、彼の盟友。
旨い酒と心を込めた味わい深い料理、肩を組んだ二人の写真を撮った!

<写真:Vサインをする寛屋の主と南野さん:南野さんの了解を得て掲載>