名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

核なき世界は幻か

2018-02-04 20:55:13 | Weblog
2018.2.4(日)
米国のトランプ大統領は2日、核戦略の新指針「核体制の見直し(NPR)」を公表し、核兵器の使用条件を緩和するとともに小型核兵器の開発などを通じて使いやすい核を追求する方針を示した。
【トランプ政権の新核戦略指針のポイント】
〇核使用は、核以外の戦略的攻撃を受けた場合も含む。
〇核の先制不使用政策を否定。
〇世界は大国間の競争に回帰。
〇中国、ロシア、北朝鮮、イランの脅威を指摘。
〇低爆発力の小型核の導入。
〇海洋発射型の各巡航ミサイルを研究開発。 (以上、2月4日付け中日新聞朝刊より)

この政策の背景には、北朝鮮の核攻撃能力の向上もさることながら、ロシア、中国の脅威にも警戒感を示し、昨年7月に採択された核兵器禁止条約を「非現実的な期待」に頼っていると批判、通常兵器への反撃手段としても核を使用する可能性を示唆したものと言える。

 トランプ政権がオバマ前政権の「核なき世界」の方針を覆した核戦略指針を発表したことに対して、日本の河野太郎外相は「米国による抑止力の実効性の確保と、わが国を含む同盟国に対する拡大抑止へのコミットメントを明確にした。高く評価する」と表明したうえ、「安全保障上の脅威に適切に対処しながら、核軍縮の推進に向けて引き続き米国と緊密に協力する」とコメントしという。
 米国への追従もついにここまで来たか、との思いである。日本は世界で唯一の被爆国であり、東日本大震災では原発の破壊によって放射能の恐ろしさを一番身をもって知らされた国である。日本は決してアメリカに追随して核開発競争の仲間になるのではなく、米国にもロシアにも、また中国にも与するのではなく、あくまでも平和的な外交努力を発揮することこそ、世界が期待している役割である。河野外相の言動にはつくづく落胆させられ、裏切られた思いである。やはり河野洋平氏の息子だからとの期待が大きすぎたか。