名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

中日ボイス―裁判員制度について

2015-02-18 09:12:25 | Weblog
2015.2.18(水)
 インターネットを通じて時々のニュースについて一般市民の意見を求める「中日ボイス」というのがある。中日新聞社が主催しているもので、これに参加している者に対して時事問題などについて時々メールで質問が来る。
筆者もこれに参加しているが、今回は「裁判員裁判による死刑判決が覆されたのをどう思う?」というものであった。裁判員裁判が地裁で「死刑」とした3件の判決を、プロの裁判官による高裁が無期懲役とし、最高裁で今月、いずれも無期で確定したことを受けての質問である。
 その結果が今日(18日)の朝刊に掲載された。回答者は8513人に上ったという。
 それによると、回答者の63%が「裁判員の判断はもっと尊重されるべきであり、好ましくない」とした。ある回答は「誰も死刑判決を出したくない。それでも出すのは罪が重いと判断したから」と答えた。市民の良識を反映する裁判員制度の趣旨に反するとの意見が多数を占めたという。
 一方で、「一審は市民感覚を反映した判断、二審以降はプロの裁判官が判断という形でバランスが取れており問題ない」を選んだ人は37%だった。ある男性は、「裁判員は被害者の思いに肩入れしがち。プロのチェックで公正に近づく」と厳罰化の傾向を懸念を示した。
 また、裁判員制度をどう思うかとの問いに対しては、「なくした方がいい」が49.6%、「現行のままでいい」が28.3%、「もっと範囲を拡大すべきだ」が22.1%となり、廃止と継続が拮抗した。
 筆者の回答は、「覆された理由が前例からみて重すぎるということのようであるが、これでは何のために裁判員裁判制度を施行したのか理解に苦しむ。決定に大きな判断誤りがあったと言うならともかく、一般市民の感覚も重視しようという試みがプロの感覚に合わないというようでは先が思いやられる」とした。
 もっと裁判の対象の範囲を拡大すべきだとの意見の中に、「行政訴訟にも広げる。原発や基地問題こそ、市民感覚を取り入れて」という提言があったそうだが、なるほど尤もである。