名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

所沢市エアコン設置住民投票

2015-02-16 14:00:56 | Weblog
2015.2.16(月)
 埼玉県所沢市では、航空自衛隊入間基地に近い小中学校29校について、自衛隊機の騒音がうるさく、校舎の窓を閉め切るため、夏の暑さ対策としてエアコンの設置計画が進められてきた。
 しかし藤本正人市長は、住民投票を求める条例案に対して次のような意見を述べてエアコンの設置計画を撤回した。
「東日本大震災と原発事故を経験した私たちは、今までの路線を転換し、自然とできる限り調和しながら生きていく道を模索すべきと考えます。また、少子高齢化が進むこれからの市の状況を念頭に、市政運営は為されなければなりません。これらの理由から、所沢市は、財政がまだ豊かだった平成18年2月に定めた防音校舎29校の冷房設備の整備計画を廃止し、持続可能な市政・財政運営を目指すことにしました。
 本決定以降、所沢市は、自然とともに生きていくことを基本に「マチごとエコタウン所沢構想」を作り、メガソーラーや学校の屋根貸しによる太陽光発電施設の導入、自然再生エネルギー普及のための諸施策など、環境を前面に施策を展開しており、昨年は、緑の総合的な取り組みに対して国土交通大臣賞も授与されました。また、教育委員会では「たくましく生き抜く力」をつける、を目標に諸施策を展開しており、教室内の吸音、吸湿効果や地球温暖化防止も期待される校舎内装木質化事業にも取り組んでいます(以下略)。」

 これに反発した保護者らが署名を集め、昨日(2月15日)住民投票が行われたというものである。
 住民と市側との主な争点は、騒音が授業に及ぼす影響であるが、入間基地から約2キロ離れた狭山ヶ丘中学校で測った航空機が校舎上空を飛んでおり時の騒音は80デシベル(地下鉄車内の音に相当)を超えていた。保護者側は授業中の騒音が、1日あたり6分9秒間だと主張したのに対し、市長は「うるさい」と感じるレベルの騒音は、1日あたり21秒間で授業の妨げになるほどではないと主張。さらに市側は「約30億円の費用と財政難」を挙げ、実施は困難と主張した。
 結果は、賛成:56,921票、反対30,047票となったが、投票率は31.54%と3分の1にも達しなかった。
 住民投票に拘束力はないが、藤本市長はこの結果をどう受け止め、どう対処するかは分からないが、投票率の低さをどう見るかが判断に大きな影響を与えるような気がする。
 自衛隊にしろ、米軍基地にしろ、航空機騒音は各地で問題となっており、愛知県でも小牧基地を抱えた小牧市、豊山町、名古屋市(守山区)では騒音対策として空調機はすでに設置済みのはずである。住民の気持も分かるが、藤本市長の言い分も、時代の流れの中で、必ずしも合理性に欠けるばかりではないように思える。難しい判断を迫られる。