田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

死ぬときは/奥様はバイパイア  麻屋与志夫

2009-12-06 06:03:36 | Weblog
奥様はバンパイァ91

○まだ宵の口だ。

Yモールの横に広がる二階建ての巨大な建物が見えてきた。

「上に聳えている。屋上にビルがたっている」

「あなたにも、見える。見えるようになったのね」

○いままでも、カミサンにはわたしに見えないものが見えていたらしい。

彼女の言葉の端々にそれを感じてきた。

例えば、ブラッキーが虚空をジッと見つめている。

前足でなにもない、いない、その虚空でなにかとらえようとする。

わたしにはなんの気配も察知できない。

ブラッキーはうなりだす。

爪をだしている。

わたしにはなにも認識できなかった。

Gはそのことをいま思い出した。

○「見えてるのね」

「ああ、岩山のようなビルがそそりたっている」

「あなたにも見えてうれしいわ。それなら話が早い。あれはベルゼブブの牙城だと

思う。まちがいない。あんなところに隠れ家を隠しておいたのよ」

○悪魔、ベルゼブブは岩窟の城に住むという伝説があったのをMは思い出す。

○「いくわよ。あなた!!」

「mimaこそいいのか?!」

「いざという時は、わたしもいっしょに死ぬ」

若い時、誓いあったことがあった。

生まれた時代も場所もちがうが、死ぬ時はいっしょだ。

カミサンはあの言葉を思い出していたのだ。

Gはmimaの生まれた時代はいつなのですか」といった。

ながいこと、そう知り合ったころから、疑問に思ってきたことだ。

「ハンドルしっかりにぎって。前方注意」 

カミサンは不可解な笑いを浮かべた。

「死ぬ時は、same time same place だ」

「死ぬ時はいつしっしよ」

といったカミサンに言葉にGが英語で応えた。


●私事ですが、「星の砂」に「初恋の白いバラ」を載せました。そちらもぜひお読みください。
 


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