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見られて。
いる。
吸血鬼に。
ハジメはふつうの男。
フリーター風。
ソレが!!
上半身の服がハジケタ。
鰐のようなゴツゴツシタ肌におおわれている。
armorのようだ。
双眸が金色に光っている。
牙が伸びた。
角が生えた。
と、いうようなことは、ない。
ぜんぜんない。
まったくない。
目くらましだ。
Vには美香がテレパスだということをしられていない。
『これでどうだ。おれの目を見ただけですくんで動けなくなる。これでとうだ』
確かに、目には異様な光がある。
でもそれがどうしたというの。
美香は青く光り指剣の先を、すきをみてVの喉元につきいれた。
紫外線。
紫外線。
という念波を逆にVにおくりこんだ。
ギャヤ!! という絶叫。
Vは太陽光線に焼かれたようにブスブスくすぶりだした。
周囲にいたVの群れは、ギョッとして青く溶けていくなかまに向けた。
かれらには、なにが起きたのかわからない。
わたしの指剣と念波攻撃。
Vは強烈な紫外線の放射を浴びたとおもったのだ。
「すごい効果!! なにしたの」
百子が近寄ってきた。
倒れていた仲間を抱き起す。
「兆子。しっかりして」
ワタシの妹なの。
と、いおうとして、ためらっている百子。
戦いの場に感傷的私情はもちこみたかない。
そうかんがえている。リッパだわ。
「治療法があるの。このアンデイが――white vampireが知っている。すぐ病院にいきましょう」
こんどのタクシーはまっていてくれた。
もっとも香世のバリャーのなかでのこの怪事だ。
時間の経過はほとんど感じられなかったろう。
「兆子。チョウコ。しっかりして」
「日本で開発してくれた人口血液のおかげでぼくらはWVとして生きていける。そしてその血液をつかって、BVの毒素を解毒する技術を開発したのです」
「ありがたいわ。ひょっとして刺された傷にもきくかしら」
百子は翔子の彼氏、純のことを案じていた。
「たぶん……」
とアンデイが応えた。
「翔子さんて、村上翔子。池袋女子学園の?」
「美香、もしかして……テレパス」
美香はしかたなくうなづいた。
「そう、そういう能力のひとがいるとは思っていたけど。あなたたち姉妹は超能力者。頼のもしい味方だわ。よろしく」
「こちらこそ。都市伝説のクノイチ48のみなさんに会えてうれしいわ」
その夜。姉妹の六階にある部屋。
窓の外におおきなコウモリがへばりついた。
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