田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

クノイチ48+美香&香世/超能力シスターズ美香&香世 麻屋与志夫

2010-12-29 07:13:49 | Weblog
7

またイヤナ夢を見るのは嫌だ。
電車にのればあのここちよい揺れに誘惑される。
眠りこむにきまっている。
タクシーにした。
池之端の家への帰路で、さらに怖い体験をすることになろうとは……。

走りだしたタクシー。
フロントになにか物体が衝突した。
鉤爪がついている。

「だれだ、京イモをなげるヤツは」
「これが。京イモ?」

正月が近い。
スーパーなどでも売っている。
ヤツガシラを細長くしたようなイモ。
でも似ている。
茶褐色。短い毛が生えている感じ。
でも鬼の腕だ。
青い血がフロントにへばりついている。
でも、速い。
眼の前の物体はみるまに溶けた。

フロントのさきで吸血鬼が背中に弓矢を受けている。
腕と同じだ。ドロッとした青いかたまりとなった。
煙となってきえた。
あとにはなにものこらない。
だがみよ。
青い煙の晴れた向こう!!!
女の子が襲われている。
赤い霧。
苦痛に歪む女の顔。顔。顔。
忘年会帰りにでも襲われたのか。

それを助けようと戦っている少女たちがいる。
美香&香世はタクシーからとびだした。
路上では、Vが人間を狩っている。

それを少女たちが止めようとしている。
戦慄の光景がくりひろげられていた。
見過ごす姉妹ではなかった。
剣士の誇りに賭けても阻止する。

「ミカタするわよ!!」

Vとたたかっている少女に声をかけた。

浮船は香世に渡した。

「オネエは――」

美香は指剣をかまえた。

「ありがとう」
少女がこたえた。
青いカエリ血をあびている。凄惨なようすだ。

5人のVに取囲まれている。

「スケツトするわ!!」
「わたしはクノイチ48のリーダー。百子」
「わたしは……」
「それは幻の指剣。ヤギュウリュウ。但馬美香さんね」

襲い来るVを片手で斬り捨てた。百子にニコッと笑った。

「伝説の剣をみせていただくシ」

レヂェント。
都市伝説はほんとうだったのだ。
伝説のクノイチは実在した。
人が吸血鬼に襲われるとき。
どこからともなく。現われる。
救いのクノイチ。
そのリーダー。百子。

「いっしょに戦えて、ウレシイ。シ」

あまりに鮮明なイメージ。
百子の背後から襲ったV。
美香が挨拶しながら、斬った。
斬り捨てたV。
牙をムイテ。
鉤爪を突きだし。
百子を襲った。
Vがヒヒッと笑いながら溶けていく。 

鮮明すぎる。

「やだぁ!!」

香世がつぶやく。
そして香世もVにむかっていく。
Vだけてはない。
Vに憑依されている人間がいる。
Vの指令で身近な女の子にナイフできりつけている。

「香世。憑依されてるものは、斬らないで」
「わかつてるって」

その者たちには、きこえている。

「殺せ! 殺せ!! 殺せ!!!」

という悪意の声が。
Vの声。
耳もとの声に従って無差別に人を刺している。
山手線の中でみた夢。
また現実のものとなった。      




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