田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

許すまじ!! ホームレス狩り/超能力シスターズ美香&香世 麻屋与志夫

2011-01-22 00:03:55 | Weblog
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翔子が向こう側からVのサークルを崩そうと攻め立てる。
ミイマのいない寂しさをみせず。
健気に夢想流の剣をふるっている。
「おう、日本の美少女剣士すばらしいね。Beautifulね」
マスターは腕を斬りおとされた。
まったく気にしていない。
青い血も止まってしまった。
だが、再生ははじまっていない。
美香には興味があった。

超常現象にはどんなことにでも興味がある。
どうしたメカニズムで腕が再生するのか? 
SFXのように。
『ターミネーター』のシュワちゃんみたいに。
腕がニョキッと生えてくるのだろうか。
それとも接着剤で接合するのか。
IP細胞のように万能の細胞のなせることか。
わからない。
もっとも美香には――。
じぶんのT能力だって――。
どこからくるのかわかっていない。

こどものころからふたりとももっていた。
姉妹で泣くとオモチャが天井にはりついた。
遠くにいる父の声が身近にきこえた。
そんな才能を努力して強化しただけだ。
「美香ちゃん。なに考えているの」
マスターが近づいてくる。
「オネエ。雑念にとらわれないで。パワーがダウンしているよ」
香世が美香の力が弱った分を補おうとしている。
真っ赤な顔だ。
サイパワーをフル稼働させている。
「モタナイヨ。オネエ、どうする」
美香も集中した。
だがそのと――。
すでに――。
マスターは美香&香世のパワー圏の外に逃れてしまった。
長々とあくびをしている。

「ああつかれたな。わたしになにをしたのかな」

まったく、疲れているようすなどない。

白装束のクノイチ48が数人中空に跳んだ。
白いチョウが花にたわむれているようだ。
だが相手は、吸血鬼。
近づけば鉤爪がおそってくる。
牙が血をすいたくて伸びてくる。
たがら、上からの攻撃がいちばん有効だ。
爪も牙も届かない距離から目や喉を標的とする。
皐月手裏剣をなげる。
金属より木製の手裏剣によわいなんて。
ヘンなヤツラダ。

背後で悲鳴がした。
ホームレスにVの群れおそいかかっていた。
「血に飢えているのでね。ちょうど、狩のお時間だったのですよ」

マスターが解説している。
白い雪に真っ赤な血が飛び散った。
何人殺せばすむというのか。
美香は浮船をぬきはなった。

許せない。
指剣もかまえた。
許せない。

両手を垂らした。
このほうが速く走れる。
両手を八の字にかまえて疾走する。

ホームレスをおそう吸血鬼。
許せない。
「止めて!!」
叫んでいた。
その声だけで、吸血鬼がふっとんだ。
「止めて!!!!」
口元から血を垂らしていた。
吸血行為にふけつていた。
Vが倒れた。
抵抗のできないホームレスを狩る。
許せる行為ではない。
美香は叫びながらVの群れに指剣と浮船をふるう。
両腕に吸血鬼を斬る手ごたえが伝わってきた。


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