田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

蠅のついてのサエナイ会話/奥様はバンパイァ 麻屋与志夫

2009-11-18 04:28:12 | Weblog
奥様はバンパイァ 76

○「絶望的になったときほど冷静になるのよ」

PCの液晶画面でMが憂いを含んだ顔でいう。

玲加を励ます声は厳しい。

「わたしの代では太古からの敵は現れなかった。

わたしはいつもおそれていた。

太古からの敵、蝿の王ベルゼブブが現れるのではないかと……。

ベルゼブブが現れ安い場所というものがあるの。

那須野が原のあたりはその場所なの。

世界中に似た地名はある。

インドのオリッサ地方のアスカ。

アメリカのアラスカ。

ナサ。

地上絵のあるナスカもちろん、日本の飛鳥。

全部、空を飛ぶものとかかわりあいがある遺跡や伝説がのこっている」

「そうか……。

那須は玉藻さまの伝説が残っている。

三浦介義明の矢でうたれた九尾の狐が空をとび那須に落ちた」

「さすがね。歴女玲加だわ」

「ありがとう」

Mに褒められたのがよほどうれしいのだろう。

ほほえみながら言葉を紡ぐ。

「三浦介義明と上総介広常が追討射止めたが死体は石になり、

触れるもの上を飛ぶ虫や鳥まで殺す毒気を放った。

と読んだことがある」

「だから……上を飛ぶ虫まで殺す毒気を放つ硫黄をもやしたのね」

「そうなの。でも街中でたえず硫黄をもやすわけにはいかないでしょう」

「そうね。わたしの念波でコウモリを呼ぶのは……」

「そんなことたびたびしたら玲加からだがもたないわよ」

「こまったな。

解決策が、アイツに敵対する方法はないのかな」

「わたしたちの祖先が天国で働いていたバラ園には……。

ミツバチが群れていて、蝿はちかよらなかったときいている。

蝿は汚いものに集る。

だから糞の王なんてかわいそうな名前をベルゼブブはつけられている」

「おばさま、わたしこの街にきて驚いたことがあったの。

プランタンに造花の花を植えてジョウロで水をやっているひとがいる。

あれってどうかんがえてもおかしいょ」

「そのへんに、ベルゼブブの復活をうながすなにかがあるのよ」

「バラの花で街をおおうなんて……。

できない相談だしな……」

Mと玲加のやりとりにGわりこんだ。

「緊急事態だからな。

いますぐになんとかしないと蝿の大流行だ。

パンデミックだ」

「蝿は疫病も媒介する」

武も会話に参加する。

「なにかないかしら」

みんなが沈思する。


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