氏は、自民党をダメにした三人の議員の名前を挙げます。
1. 小選挙区制導入を強引に進め、派閥と族議員を消滅させた小沢一郎氏
2. 郵政改革で、自民党を分裂させた小泉純一郎氏
3. 安全保障法案を、強行しようとする安倍晋三氏
氏は小沢、小泉氏と、過去の実力者にも、異論を唱えた議員です。
1.の小選挙区制は、見直し論が出ていますし、私も疑問視していますが、当時は問題点が分からず、むしろ賛成していた方です。
1.の目的は、アメリカやイギリスのように、政権交代可能な二大政党を作り、政治を活性化することでしたが、見事に失敗しました。二大政党どころか、自民党対弱小野党の乱立で、政治のカギを握るのが無党派層という状況になりました。
2.の目的は、何だったのか。こんなに大騒ぎする理由が何なのか。あの頃はサッパリ分かりませんでしたが、今は分かっています。
そもそも郵政民営化は、国民が望んできたことではありません。執拗に要求してきたのは、米国の金融業界とアメリカ政府でした。
米国は、保険分野の「規制撤廃」のため、郵便局の簡易保険の「改革」を、ずっと要求していました。簡保と民間との、競争条件を同じにすることなど、郵政民営化を求めていたのですが、この間の事情を、小泉氏は説明せず、マスコミも国民に伝えませんでした。
さらに日本の銀行や保険業界も、自分たちの利益につながるため米国に同調し、郵貯・簡保の縮小・廃止を求めました。
この時小泉氏が、アメリカの代理人として重用したのが、悪名高き竹中平蔵氏です。竹中氏は、日本の銀行界をアメリカのハゲタカファンドの草刈り場にし、金融界の日本的秩序を破壊し、さらには企業の「終身雇用制度」と、「年功序列制度」を消滅させました。
正社員より、低賃金のパートアルバイトの採用が進み、その結果として、現在の若者の貧困化が定着しました。
だから私は村上氏が、小沢・小泉氏反対してきた事実については、敬意を表します。多くの人がどのように思っているのか知りませんが、私は今でも、小沢氏と小泉氏は、日本をダメにした政治家として、心に刻んでいます。
それでも、安全保障と憲法改正につきましては、村上氏に賛同しません。小選挙区制や郵政改革と異なり、憲法改正は、これまで自分なりに取り組んできた課題だからです。
私は安倍氏の全てを肯定しているのでなく、「憲法改正」と「皇室護持」の、二点を支持しています。金をばらまく外交や、日本の伝統破壊の政策についてなら、村上氏にいくらでも噛みついてもらいたいくらいです。
「アベノミクスですが、株価対策をやっているからいいように見えるが、実際は、財政も金融も、限界にきている。」
「集団的自衛権など後にして、方向転換をする方が先だ。」
「最近の日本を見たら分かりますが、日本中の活火山が活発に動き出しています。」
確かに、火山災害が各地で発生しています。桜島、浅間山、箱根山、草津白根山、阿蘇山、口永良部島などで、噴煙、火山弾、地鳴りが住民を怯えさせています。
「日本がこんな時に、自衛隊員を海外に送る余裕などないでしょう。」
正論らしく聞こえますが、ここでも氏は、反日の野党議員諸氏と同様、大きな勘違いをしています。
国防と防災は別物であり、これを混同してはなりません。自衛隊の役目は、災害対策一筋でいいのだと、ひところ共産党や社会党が盛んに言っていましたが、氏の認識もそれと同じでした。
軍の主要任務が地域住民のための災害対策だなどという国が、世界のどこにあるのでしょう。一国平和主義と同様、こういう考え方は「日本の常識は、世界の非常識」と言われるものの代表例です。
とっくの昔になくなっていると思っていましたが、氏の頭の中で生きていました。
議員は勉強が足りないと氏が批判していましたが、私には、同じ穴の狢に見えてなりません。国防と防災が別物であるから、日本には昔から、ちゃんと別の組織があります。
1. 国民の生命と領土を守るため、敵と戦うのは自衛隊(軍隊)です。
2. 災害から住民を守り、救助活動をするのは、総務省消防庁、警察災害防衛隊、海上保安庁です。
火山活動による被害の増大を心配するのなら、総務省消防庁、警察災害防衛隊、海上保安庁などを強化し、隊員の増強を考えるのが、政治家の役目です。
自衛隊と異なり、災害対策組織は横の連携がなく、臨時的に組織化されることが多いため、私たち国民も組織の全容を知りません。
もし危機感を持つのなら、氏はこの脆弱な国の防災体制を指摘すべきで、自衛隊を持ち出すなど、国会議員として不勉強もいいところです。そうでなく全て知った上で喋っているのなら、日本の独立を考えない偽保守です。
今回も、スペースに余裕がなくなりつつあり、続きは次回といたします。後もう少しなので、ぜひ「ねこ庭」へお越しください。
もしかすると次回の意見が、氏の真骨頂であるのかもしれません。つまり、「保守の顔をした反日議員」・・・。