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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

1991年モンタナ州の訪問 その24

2016年04月07日 | 昔の旅行
1991年モンタナ州の訪問 その24
Visit to Montana for digging, 1991. Part 24

 1991年7月9日ロスアンジェルス郡立自然史博物館の恐竜特別展を見ている。この恐竜展では、恐竜の研究しに関する展示に重きが置かれていた。1991年頃は、恐竜の新しい姿勢が定着し始めた頃で、尾部を持ち上げた姿を解説していたのが記憶に残る。当時の私の博物館では、古い姿勢の恐竜骨格レプリカしか無かった。その後の10年間で姿勢の変更作業に数百万円を費やしたのだ。

96 「水晶宮の恐竜」といわれる最初期の恐竜イメージ 1991.7.9 Dinosaur image of the Crystal Palace

97 ステゴサウルスの当時までのイメージ 1991.7.9 An old image of Stegosaurus

98 1991年頃のステゴサウルスのイメージ 1991.7.9 Image of Stegosaurus at 1991

 この復元では、尾部が持ち上がって地面に着かないことが強調された。その後さらに尾の棘に関する考えが変って、現在は棘が水平面内に向かう形が主流になっている。

99 ラッセルのディノサウロイド 1991.7.9 Dinosauroid by D. Russel

 恐竜人間ともいわれるディノサウロイドは、デイル・ラッセル(Dale Russel)がトロオドンのような恐竜が絶滅しないで進化を続け、知的になったらどのような姿になるかという思考実験の結果である。私ははっきり言ってこの「復元」に嫌悪感を覚える。「人類の姿が究極の知的な姿であって、生物が知的になれば必然的に人類に似てくる。」という考え方は、一種の思い上がり・自己偶像化である。「神が人類の姿をしている」というのと同じかな?いずれにしてもこのディノサウロイドは、爬虫類的な香りを残しているものの、あまりにも人類に似ている。
(つづく)