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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

姫島へ(その3)

2011年11月14日 | 旅行
姫島へ(その3)
 

27日(木)、また自転車を借りて10分ぐらいで北西の岬である観音崎へ。ここは国の天然記念物の黒曜石の場所である。岬は旧火口の火口壁の一部でここに黒曜石が露出しているという。


12 観音崎手前のがけ。

50メートルほどの登りがあるので敬遠して手前の指定地外の石浜で探して見ると少しは転がっている。姫島の黒曜石は灰白色で、他の産地のものと全く外見が違う。それで、考古遺跡の石器の中に見いだされ、近年の微量分析技術の発達以前から産地が特定できることから交易圏の推定などの論議がされてきた。
来たところを戻り、船着き場を通り越して西端の「ス鼻」に向かう。ス鼻はナウマンゾウの産地であるが、まだ潮が引かないので望み薄。途中国東半島を遠望すると、なだらかな裾野と侵食された中央部がよくわかる。


13 両子山(左右に縮めてある)。

写真は大体二分の一に左右を縮めてある。何しろ非常に傾斜が緩い。国東半島の半径が15キロぐらいなのに対して両子山の標高は約720メートル。傾斜は1キロに対して48メートルぐらいだから、箱根登山鉄道なら直登してしまう。
ス鼻はやはり満ち潮で見るところが無い。


14 ス鼻。

また10分自転車を飛ばして船着き場に戻る。貸自転車の時間を2分ほどまけてもらって、1時間の料金を払い、すぐ前のフェリー乗り場へ向かう。


15 第二姫島丸。

次の10時25分発のフェリーにちょうど良い時刻なのだが、一つ問題がある。これに連絡する国東ゆきのバスが、伊美港に寄らない便なのだ。歩いて7分ほどの車庫にある「伊美」バス停発で、他の便は港に寄るのに。港で聞くと約10分ほどの距離だが急がないと乗れないという情報。パチンコ屋裏の細い道にあるという。
乗船したのは行きと別の第二姫島丸。第一よりも小さく見えたが、調べて見ると総トン数などほとんど同じ。製作年の違いによるのだろうか。フェリーが少々遅れて、降りたのが発車時刻の7分前。早足で乗り場に急いでちょうど発車時刻にバス停に到着。すぐに国東行が発車する。調べてなかったらとても乗れなかった。姫島の方は何か聞くととても親切に教えていただけるので助かった。
国東市行のバスは、両子山のすそ野の指のように伸びた尾根を多くのトンネルで抜けてゆく。


16 姫島遠望。

左側に行ってきた姫島が見える。右側の高い山が290メートルほどの矢筈岳、左のが100ほどの達磨山、中央の低いところに船着き場がある。
30分ちょっとで国東の町に入る。運行経路は複雑で杵築方面への乗継は重複経路が長いのでどこでもいいという。結局車庫で降りて45分ほどの待ち合わせ。なぜか同一会社なのに乗継の時間が長い。大分行のバスに乗車して1時間弱で杵築バスターミナル、さらに乗り換えて杵築駅に向かった。杵築駅でも到着した時に小倉行きの特急が出ていくのが見える、という不親切な乗継。駅前の小さな食堂で、遅い昼食をとって時間を潰し、1時間後の特急で帰宅した。
印象としては思ったより家から行きやすく、自家用車なら日帰りで十分。今後も訪れてみよう。何といっても象牙化石を採集できたのは目覚ましい成果である。今後も象化石の採集できそうな全国でも数少ない場所である。

今回の旅行で、国東半島の海岸線をまわった。「全海岸線制覇」(海岸線から10キロメートルまで近づくとそこを制覇したことにしている。)はまだまだ遠い夢であるが、一つクリアしたことになる。全国で44か所あったのが43か所に減った。九州では佐田岬など6か所が残っている。制覇していないところは日本主要四島の8.92%で、今回9%を切った。知床岬の先端など、事実上ほとんど不可能なところもあるが減らしたい。
また二万五千分の一地形図の訪問は、浜・竹田津・香々地・姫島・富来浦・鶴川・下原の7葉に初めて足を踏み入れた。島しょを除く九州の訪問率はずっと上がって75.9%に達した。残念なことに。国東半島中央の両子山図幅と、南岸の住吉浜図幅には足を踏み入れなかった。次の機会にぜひ。
なお、大分交通のICバスカード「めじろんnimoca」を入手した。