法の盲点をすり抜けながら山奥の林野が丸裸にされ、次から次へと運搬される異常な量の産業廃棄土砂の埋め立てにより、今までの木々が生い茂っていた山肌が、無残に土砂で覆いつくされる・・・。
なんでここまでやりたい放題にやらせていたのか・・・!?
静岡県内でも、数十か所問題となる違法土砂埋立地があり、現在その2、3か所からの逮捕者が摘発されている。
当然だ、おそらく容疑者は、所有地であり適正に管理しているので問題ない、あるいは、許可を得ていたと勝手な解釈をしていて、罪を認めないかもしれない。
しかし、もともと自然に恵まれる山野を開発して、そこにどこからともなく搬入される土砂を打っちゃるという非常識な考えは普通通用しない。
しかし、悲しかな、今の法律、県、市町村条例において、強制処分の対象とならない、いわゆる行政指導というあいまいな規定が、熱海の土砂災害をはじめとする、人命の安心安全を十分確保するルール体系となっていないところで、このような違法土砂廃棄が生まれてくる。
ただ、自分の所有地にしっかりと安全対策をして、それ相応の廃棄手数料をもらって土砂産廃物を受け入れることを生業とする、しっかりとした業者もいる。
そこでは、建設業標準単価の土砂処分価格で取引されているので、特に問題は発生しない。
ところが、自分の土地、あるいは借地を利用して、一獲千金のぼろもうけを企む人間がいるのだ。
行政が認める処分場は、災害時にでも土砂の流出を起こさないような安全対策を講じる施工計画を提出し、流域民家への安全が確保されるものであった場合開発の許可が下りる。
ただ、始めから違法を承知の上で広大な開発面積を隠し、認可制限面積以内の申請をまずして認可を受け、その後は、認可許容量を超える土砂量を認識しながら、金もうけのために、相場とは断然安い搬入料金で、どこから来たのかもわからない土砂を受け入れる悪質者がいるのだ・・・。
ただ、この事件のように土砂搬入を相場よりも割安で受け入れ、そして、膨大な利益を生んでいた実行犯が、逮捕されるが・・・、では、搬入料金が格段に安く、しかも、搬入先が自然豊かな山奥の樹木を切り立った、にわか造成地と認識しながら、土砂を搬入したトラック運転手には、法の目は向けられないのか・・・!?
まさに、下流の家屋敷の脅威となっている上流の甚大な量の土砂を、格安で処分できるということで、何度となくダンプを運転していたトラック野郎、あるいは、個人ダンプではなく、組織で動いていた土砂廃棄運搬企業は、検挙の対象とならないのか・・・。
正規の処分場へ回れば、定額の処分料を求められるので、法的に危ない処分場と知りながらも、定価と格安の上前をはねて、儲けようとする違法な搬入ダンプがいる。
もともと、ダンプ運搬料は、建設基準価格など相場が決められているので、工事現場からの土砂搬出は、受注見積には標準単価で請求されているはずだ。
しかし、標準単価価格に対し、いかに土砂処分経費を安く済ませるかで、その差額が儲けとなる。
こんなことを、土砂受け入れ業者も、土砂運搬ダンプ運転手も承知しての犯罪。
やはり、土砂搬入で儲けた土地所有者と同時に、違法を承知して搬入したダンプ運転手も逮捕すべきだ・・・。