のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

未来の扉閉ざされてううと泣く

2013年12月15日 | ネイチャースケッチ
毎年、定点観測しているクヌギの大樹もすっかり葉を散らしました

                  

2週間前は夕日にこんなに映えていたのですが

                  

また春になれば芽吹いてくれるでしょう
もしこの樹が枯れても秋に落としたどんぐりが芽を出してくれます

そんな当たり前のなりわいができなくなったふくしまの老人の
「父といっしょにつくってきたこの田んぼでもう米がつくれなくなった」という言葉に
同じ老境にある作家オオエ健三郎さんはうっうっと忍び泣いたそうです
家族に悟られないよう二階に上がる階段の踊り場で

オオエさんは生涯に二回、境目に出会ったといいます

一つ目は終戦の時
学校の先生が「もう生き直すことはできない」と話したことに対し
母親は「わたしは生き直すことはできないが
わたしらは生き直すことができる」と話してくれたそうです
あなたたち子供たちを含めたわたしらは生き直すことができると

二つ目は2年前のふくしまの事故
日本人全体が内部被ばくしていることに
わたしたちはやってしまったと感じたといいます

生きる上での本質的なモラルは何か
次の世代が生きていける世界・社会を壊さないこと
すべての努力を尽くして守らなければならない
いろいろな立場にある人たちも最低限、同志となれる立場だという
フランスの作家の言葉をオオエさんはラジオで紹介してくれました

オオエさんの話はYoutubeで再聴取することができます
文化放送 大竹まこと ゴールデンラジオ 12月13日放送

これが最後のラジオ出演だという言葉を残し部屋を出て行ったそうです