のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

STOP!ぶらっくばす

2007年03月21日 | わが家の時時
昨夜は手賀沼トラストサロンが行われました。テーマは「手賀沼とぶらっくばす」。講師はトラスト会員でもあり、ぶらっくばす問題に関する文献のライターをされているHさんご夫妻。途中からは、野田で実際にぶらっくばす駆除活動をしているSさんにも出席していただきました。

ぶらっくばすというのはスポーツフィッシング用の淡水外来魚で、全国の湖沼河川での生態系を破壊するということから、一時、マスコミなども巻き込んで大きな議論を引き起こしました。しかし、これまで手賀沼ではあまりぶらっくばすなどの外来魚が話題にはなってこなかったように思います。話題提供者の説明では、手賀沼にとって、ここ数年がひとつのターニングポイントになると考えられるというのです。

というのは、…

都心からのアクセスの良い手賀沼には比較的早くにぶらっくばすが放流されていたはず。しかし、手賀沼の水質が汚濁していて、目で獲物を追うぶらっくばすは繁殖できなかったのではないか。ところが、最近、水質が良くなり、餌となる小魚も復活してきているという噂もある。実際、ぶらっくばすの稚魚の姿を確認したという報告もある。すぐに対策をとらないと、せっかく水質がよくなってもぶらっくばすだらけになってしまうかもしれないというのです。

ぶらっくばすが生息できなかった理由には、湖底がヘドロで覆われていて産卵できなかったことも考えられるということでしたが、水質汚濁が外来魚を防いでいたというのは、いかにも皮肉です。

宮城県伊豆沼でのぶらっくばす駆除活動を紹介したDVDも見せていただきました。たいへんな労力と資金を投じても、片方で釣り愛好家などによる「密放流」がされていてはとてもかなわないそうです。

元来、ここまで広く全国にぶらっくばすが広まったのには、ばす釣り愛好家だけでなく経済効果200億円?ともいわれるバス釣り情報誌や釣具などの関連業界団体の働きかけがあったからのようです。2005年に施行された「外来生物法」においてもばす放逐は規制されても、業界団体の圧力により駆除までは言及できなかったといわれます。

「駆除」だけでは釣り愛好家たちの理解も得にくい。「在来種の保護」と「外来種駆除」をセットにしたメッセージが必要であり、また、たとえば「ルアー釣り禁止」というようなルールによる社会的合意がなければ根本的な解決には結びつかないという提言には納得させられました。

Hさんたちのグループでは、4月22日に手賀沼でぶらっくばすの生態調査を計画しています。多くの人の参加を呼びかけたいといいます。具体的な内容がわかった段階で、再度発信します。

《追記》
この記事を発信してから不審なTBが数多くあります。この問題の根深さを実感しています。