ナデシコ科ハコベ属のエゾオオヤマハコベ(蝦夷大山繁縷)です。
北海道に多く、他に秋田県と長野県に隔離分布するとされています。
長野県では、絶滅のおそれのある野生生物「絶滅危惧IB類(EN)」です。
日当たりが良くやや湿り気の多い環境を好む多年草の植物です。
毎年3月には同じ場所に芽を出し、4月上旬には青々と葉を展開させます。
葉は対生で葉柄はなく、披針形で先端は尖り、長さは5~12cmです。
葉を光に反射させると、両面に絹毛が光って見えます。
高さは50~80cmほどになり、茎は上部でよく分枝します。
白色の大きな花をたくさん散りばめ、ハコベの仲間では見ごたえ抜群です。
繁茂して藪状になりますので、農地を管理する上では困った雑草扱いです。
この場所は、地主さんのご理解とご厚意で群落が守られてきました。
茎の先端に集散花序を出し直径2cmほどの花をつけます。
花弁は5個で萼より長く、広卵形で先はいくつもの細い断片に裂けます。
雄しべは10個、雌しべの柱頭は3個ですが、4個のものも見られます。
萼片は長楕円形で先は尖り5個、果柄とともに軟毛が密生し白っぽく見えます。
果実は長さ1cm弱の円柱状の蒴果です。
9月上旬にはたくさんの果実か成熟し、種子を稔らせます。
種子は2mmほどの腎円形でこげ茶色、表面の隆起した網目模様が特徴です。
花期は6~8月といわれていますが、最近涼しくなり元気を取り戻しました。
田は黄金色になり秋本番、もうすぐ10月ですが、まだまだ花を楽しめそうです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます