
あちらこちらの木陰で見かけるオオバジャノヒゲとヤブランです。
運よくラッキー、仲良く並んで咲いている株に出会いました。

クサスギカズラ科のジャノヒゲ属とヤブラン属の検索表です。

オオバジャノヒゲとヤブランは生えている場所や葉がよく似ます。
花が咲くと見分けは容易で、前者の花は白系で下向き、後者は紫系で上向きです。

花が開いて花糸や葯が見えると、さらに違いがよく分かります。

種子の色でも両属の違いは明瞭です。
花が終わると果皮はすぐに落ち、種子はむき出しになります。
画像は果実のように見えますが、種子です。

オオバジャノヒゲとジャノヒゲは葉の大きさが違います(検索表)。
画像のジャノヒゲは庭に植えられた園芸品種です。
匍匐枝を出して増え、根の先の肥大した部分が漢方の「麦門冬」です。

また、オオバジャノヒゲは、葉の縁があまりざらつきません。
ジャノヒゲは、葉の縁のざらつきが明瞭です。

ヤブラン属のヒメヤブランは稀に見ますが、画像がありませんでした。
ヤブランより小さく花数が少なく、ヤブランにはない匍匐枝を持ちます。

ヤブランの種子は1本の果柄に1-3個がついていました。
果柄側にわずかに残る淡褐色の皮が果皮の名残でしょうか。

ヤブランの種子を切ると、外側の黒い皮の内側には肉質の部分がありました。
2層の種皮に包まれた胚乳部分は弾力がありやや硬めです。
ひょっとすると、鳥に種皮をごちそうして、胚乳を散布してもらうためかも?
胚乳の中心には白色の根と芽の元気な赤ちゃん(胚)が見えます。
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