信州自由人

のぐケーンのぶろぐ

種子島・屋久島旅2

2015年04月04日 | 旅行

2015年3月24日(火)、念願の縄文杉に出会える日です。
この日のために週2日の15km歩きでトレーニングを重ね、体力、気力とも十分です。
出会いまでに歩く距離は約11km、ヘッドランプを灯して荒川登山口を出発しました。


8kmほどはトロッコ道、そこには踏板が敷かれて歩きやすく、怖い橋もご愛嬌です。
この日は運良く、トロッコにも出会うことができ、軌道をゆずり道脇で記念撮影です。
ほぼ平坦な道中、小杉谷集落跡や三代杉などで伐採の歴史や杉の生きざまに浸ります。


トロッコ道が終わる大株歩道口からは一気に傾斜のきつい登山道になります。
先頭は屋久島ガイドの達人『アペルイの俊さん』、そして若いカップルが続きます。
俊さんの絶妙な屋久島の森の話に引き込まれ興味津々、疲れが出てきません。


樹齢1000年を越す杉だけを屋久杉といい、木質が緻密で樹脂が多く腐りにくいそうです。
画像は江戸時代に切り倒されて残った根株、いまだに存在感を示すウイルソン株です。
株の中は空洞になっており、人が入れる10畳ほどの内部は魅力がいっぱいです。
特に、ある場所から見上げるとハートが見えることから、大変に人気の切り株です。


崇高な森に圧倒されての登山の中でちょっと一息、ワニに食われたポーズの男子。
右奥の樹の幹に【49】のラベルがあり、【50】の縄文杉まで、あとわずかです。
屋久島は花崗岩の島、植物は岩盤の上に根を這わせ、地中に入り込む隙間を探します。
地表を這う根を傷めないよう登山道は木道、木道を下りた男子の左足は石の上です。


数千年の時を見つめてきた『縄文杉』との対面、ただただ呆然と見入るのみです。
幾種類もの植物をまとい、波うつひだとこぶに覆われた樹幹、ここは異次元の世界です。
訪れた登山者それぞれが、この神聖なる樹から強烈なメッセージをいただくことでしょう。


あちこちで姿を見せるヤクシカの表情から、屋久島の森のおだやかさが伝わってきます。
人間に警戒心を見せないヤクシカ、危害を加える動物は人を始めいないのでしょう。
シカと人間がお互いの世界に深く踏み込まない環境が保たれることを願います。


森歩きは、樹や水、けものや小鳥、シダやコケ、そして花々が疲れを癒してくれます。
紅い花がちりばめられたトロッコ道、上を見上げるとヤクシマツバキです。
可憐なオオゴカヨウオウレンがコケの中から、なごり花を見せています。
サクラツツジははしりの花、その横でヤクシマオナガカエデが赤葉を芽吹かせています。


山を下り、すでに15時30分、道に沿う安房川の安らぎの水辺に案内していただきました。
俊さんいわく、通称『エメグリ』、その名のとおりせせらぎはエメラルドグリーンです。
川原にはサツキがいっぱい、紅い花が咲く景観を想像すると瞬く間に時間が経ちます。


泊まりは安房港から歩いて2分のホテルオーベルジュ、18時過ぎに帰着しました。
お楽しみの夕食は、ペットボトルに汲んだウイルソン株の少し上の湧き水を使います。
島一番のおいしい湧き水で島焼酎の水割り、肴は屋久島自慢のトッピーの唐揚げです。
屋久島の偉大さ、登りきった満足感、島に融け込む俊さん、思い出し水割りが進みます。
コメント
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