そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





猫が死んだ。

名前はポロ。
雑種の男の子。
糖尿病とその合併症で肝炎や口内炎などを起こし、容態が悪くなってから1週間ぐらいで死んでしまった。
7歳7ヶ月の短い生涯だった。

そもそもポロは、フォルクスワーゲンの販売をしていた知り合いの女性が連れてきた。
「顧客の愛車の中から『ミャアミャア』と声がするのでサービス工場でエンジンルームを車の下から点検したところ子猫が1匹入っているのを発見したの」と。
エンジンルームに迷い込んだままその車は何と何十キロも走っていたという。
そんな不憫な子猫を、当時猫を2匹飼っていた僕のところで預かれないかと彼女は相談してきたのだ。
とてもぶさいくな子猫だったけど、奇跡的に命が助かったその子猫を僕は引き取ることにした。
彼が発見された車の車種が、フォルクスワーゲンの「ポロ」だった。
だから彼はポロという名前になった。

先住猫2匹がいたのに、臆することなくのびのび育ち、ポロはいつの間にか3匹の中で一番強い猫になった。
そして、僕に一番なついて、家のどこにいても僕のそばについて回るのもポロだった。
トイレに入ったとき。
風呂に入ったとき。
仕事場で原稿を書いているとき。
寝るとき。
いつもポロが僕のそばにいた。
朝はいつもポロに起こされた。
だから僕はこの数年早起きになった。
いつも朝の7時頃にはおなかを空かせたポロが僕の耳元で鳴き始めるからだ。
もうその鳴き声は聞こえない。
だから僕はここ数日、少しだけ朝寝坊になった。

ポロが急に具合が悪くなった理由には、新しくやってきた子猫2匹の存在もあるかも知れない。
保護猫の子猫2匹を引き取ることになり、その子たちが家にやってきた前後からポロは食欲が落ち、口内炎を発症した。
おそらく子猫が来たストレスが彼の命を縮める一因になってしまったんだと思う。
本当に申し訳ない。
もっと早く動物病院に連れていけば……
もっと早くきちんと血液検査をしていれば……
そしてもう1日でも早く一生続く糖尿病のインスリン注射治療を受け入れる覚悟を決めることが出来ていれば……
そうすればポロは死なずに済んだかも知れない。
でも僕は1日、毎日永久にインスリン注射を続ける治療を続けていく覚悟が持てず、彼を放置してしまった。
ひと晩考えた翌日、医師に糖尿病治療をしたいと告げたけど、そのときポロはもう体温が34℃台に落ちていて、間に合わなかった。
そして、入院して2日弱で死んだ。
後悔だけが残った。
僕の後悔は今後も一生ついて回るだろう。
1日、治療の覚悟を先送りにしたことでポロは7歳7ヶ月という短い命しか全う出来なかった。
本当に、ごめん。
このことを考えると今でも涙が出る。

ポロが死んだのは2019年11月30日の夜。
12月2日の夜、火葬してもらった。
ちいさな骨壺に入ってポロは家に帰ってきた。
僕の家では今、11歳を超える猫2匹と、まだ生後3月の子猫2匹が遊び回っている。
今度、この猫の中の誰かが病気をしたときは、適切で悔いのないな対応をしよう。
一度愛猫を亡くすという経験で僕はそれを学んだ。

ポロ、ありがとう。
天国で安らかに。
7歳で逝かせてしまって本当にゴメン。
お前がいなくなって僕は本当に淋しいよ。
ありがとう。
毎朝起こしてくれて。



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