そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





観てきました。
カンヌ映画祭でパルムドール獲得。
是枝監督の「万引き家族」。
その感想。

もうね、これには点数とかつけられないね。
是枝監督の作品は常に「フワァ〜ッとしている」という印象なんだけど、今回ももちろんフワァ〜ッとしていて、とにかくジワーッと始まってジワーッと終わるわけですよ。
映画として面白いか面白くないかで言ったら、面白くなんかないよ。
ずっとジワジワしてるんだから。
でもこれは今の日本の闇を全て投影した映画なの。
家族崩壊とか、幼児の虐待死とか、ワーキングプアとか、セーフティネットの不備とか、もうそういうここ20年の日本の闇の全てよ。
だから本当にずっと身につまされたし、心が痛んだし、泣いたし、これは日本の今の真実を映していると観客は理解するわけよ。
いや、日本と言うより行きすぎた資本主義が招いている格差社会の闇の全てかも知れない。
弱者が身を削り犯罪に手を染めながら必死に生きていかざるを得ない現代日本という地獄。
その地獄の中でほんの少しの希望として存在する「人と人の絆」という光を描いた名作ですよ。
安藤サクラの演技が凄いよ。
リリー・フランキーも凄いよ。
松岡茉優はもうびっくりするぐらい身体を張っていて、意外に巨乳でドキドキしますよ(ごめんつい本音がw)。
そして2人の子役の秀逸さね。
目黒の虐待死事件とかがあったタイミングだから、本当にあの女の子の姿とか、可哀想しかないよ。
本当に、いつ誰がこんな日本にしたんだよって思うね。
どうするんだよ、本当にこの国はこの先?
地獄だよ、地獄。
僕らのすぐそばにこんな地獄が本当にあるんだと思ったほうがいい。

もうね、パルムドールってこういうことだなって体感するような、まったく面白くない、ただただジワーッといたたまれない気持ちになる映画でした。
素晴らしかった。
ただ、僕はこの手の映画が好きではない。
なぜなら、尾を引くからです(笑)。

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