そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



「朝まで生テレビ」で天皇陛下の生前退位のご意志をどうすべきかという問題をやっていた。

国民の9割は生前退位に賛成らしい。
だが僕は陛下の生前退位には断固反対する。

陛下がご自身の高齢による体力低下のため、今までのようなご公務を行うことが出来ない近い未来の状態を危惧し、国民に向けて生前退位のご意志をお示しになったことは、もちろん重く受け止めている。
だが、僕は陛下には天皇の地位に就いたまま、摂政を設け、摂政に公務を任せることによってご負担を減らし、長くこの先も天皇でいらして頂きたい。

それはなぜか?
僕は天皇という地位は(象徴という戦後付与された意味に於いても)、どこまでもとことん神聖なものでないといけないと思うからだ。
高齢になったら法律に則り生前退位できてしまう……そんな現代的なシステムを天皇制に取り込んでしまうと、天皇という存在自体の「神性」が損なわれると危惧する。
生前退位の法律を整えること、イコール、今の国民が持っている「天皇に対する神性」を損なうと思う(それこそ無意識のレベルで)。
陛下は日本人にとってやはり「神格化」された存在であり、法律などという人が作ったシステムによって簡単にその地位を与えられり、失ったりしてはいけないのではないか。
前天皇の崩御によって新たな天皇は即位し、そしてその天皇は崩御によってのみ天皇ではなくなる。
この誰にもどうにも出来ない生命の神秘に則ったシステムこそが、天皇陛下の神性の根本であり、我々日本人が天皇に「神」を見る根本だと思うのだ。

陛下は「公務をこなして、国民に寄り添うことで、象徴天皇の務めを果たしてきた」と自負しておられる。
それについては100%同意するし、陛下の国民に対するお気持ちを思うと涙が出る。
だが、陛下が例え高齢が原因で今までのようなハードな公務ができなくなったとしても、我々国民は陛下のことを「仕事してないな」なんて誰1人思わない。
陛下がどんな状態であれ、「いて下さる」ことで平成の世が続いている、そして公務など一切しなかったとしても「いて下さる」ことで我々国民は十分だ、これが現実だと思う。
だから、陛下には申し訳ないが、生きていらっしゃる限り「平成」の世は続き、陛下がもし崩御されたときにだけ「平成」の世が終わるという、人為的なシステムではない神のみぞ知る「神聖な」仕組みによる日本の歴史の積み方がこそが、もっとも国民にとってしっくりくる方法でありまた、象徴天皇制の根本を支える「神性」を担保する条件ではないかと信じるのだ。

ご公務は摂政に任せれば良い。
陛下は皇居の中心で静かに国の平和を祈って下さっていれば、国民は誰1人文句など言わないと思うのだ。

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