そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





なにやら評判が良いので観てきた。
「ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督・脚本作「インセプション」を。
レオナルド・ディカプリオと渡辺謙が共演している大作だ。
その感想を書く。
こんなこと書くとバカだと思われるんじゃないかという恐怖を忍んで素直に書く。
あくまで素直な感想を書く。
ネタバレはほとんどないので安心して読んで欲しい。

……
……
よく分からん。

わっ!
書いてしまった。
あ~恥ずかしい。
「よく分からん」って素直に書いてしもた。
なんだか負けを認めているようで悔しい。
だが実際そうなんだから仕方ない。
よく分からんのだ。
上映中何度か「?」マークが頭の上に点灯した。
みんなそうであって欲しい。
そうだよね。
そうに違いない。
うん、そうだ。
よく分かんないよね?

いや、とは言え大筋は分かっているのだよ。
大筋のストーリーはちゃんと理解している。
基本よく分かっていて面白かったし、よく出来たスゴイ映画かもと思うが、いかんせんところどころよく分からんのだ。
理屈がよく分からない。
今が誰の夢の中で、次は誰の夢の中で、なんで夢の中で撃たれるとこうなってああなって、なんでコイツの夢の中にコイツがいて、コイツの夢の中でアイツがアレするとなぜ……みたいな点がところどころよく分からない。

これ、字幕のせいではないか、と思う。
僕は最後の最後まで、主要登場人物のうち何人か、なんという名前なのか完全には把握できなかった。
字幕担当は僕の宿敵戸田奈●子ではなく「アンゼたかし」という初めて見る名前の翻訳家さんだった。
この人の字幕、固有名詞を訳す頻度が少ないのではないか。
そんな気がする。
そのせいか僕はたまに思い出したように出てくる「イームス」という名前が最後まで誰のことなのか正確に分からず「あいつかな、こいつかな、いやロバートってヤツの名字がイームスだっけ」と混乱しまくったまま映画を観ていたので、そんな状態でストーリーが完全に把握できるはずがない。
だから日本人の皆さん。
この映画がよく分からないのは「アンゼたかし」のせいだ。
彼のつけた字幕が映画をワケ分からなくさせているのだ。
……と、思いたい。
ダメか?
ダメか、アンゼよ。

星を付けるなら、3つ半だろう。★★★1/2
面白いんだけど100%理解出来ずにストーリーはどんどん進んでいくので「これ面白がっていて大丈夫なのかオレ?」みたいなモヤモヤ感が鑑賞中ずっと頭の片隅にこびりついているというか、上映中「この面白さは100%信頼できないぞ」と思ったり、「いや、だからさ、複雑すぎるよ~」と冷静になってみたり、「これ分かんないとオレバカかな?」と自虐的になったり、つまり、観客にやたら複雑な思いをさせる映画なのだよコレ。
ただ、なんだか分かんないけど面白いのは、面白い。
ドキドキするし、ハラハラする。
ところどころよく分かんないのに、だ。

ま、ひとことで言うと、監督のちからわざ。
編集とかものすごく上手いし。
うん、ちからわざ。
チ・カ・ラ・ワ・ザ。
上手にねじ伏せられた。
気持ちよくヤラレちゃったっていう感じ。

渡辺謙はもう完全にハリウッド俳優。
すごいなぁ、あの人。
伊丹十三監督の「タンポポ」のとき、こんなになるとは思わなかったなぁ。

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