自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

ホームにて

2020年11月21日 | うた
私は鳥取県の生まれ、育ちで、田舎者です。昭和40年代に仙台に行きました。飛行機など考えられない時代ですから、電車です。それも最初のうちは山陽新幹線がなかったので、伯備線というローカル線で岡山県に出て、山陽新幹線で大阪から東京を目指します。それだけで大旅行ですから東京で1泊して東北本線で北上です。こちらも新幹線はなく仙台まで特急で4時間かかりました。「北帰行」という歌がありますが、上野で電車に乗るときはその気分です。大阪圏も東京圏も異郷ではありますが、東北線に乗ると言葉も違い、景色も違うので、故郷が遠ざかるという思いが強くなります。十代ですから寂しいという思いがありました。
 仙台での暮らしは全体としては、楽しく、充実もしていたのですが、最初の2年間は大学紛争が激しい時代でしたから講義も少なく、「こんなはずではなかった」という思いがありました。そんな時、仙台駅の前を通ると、「電車に乗ればあの友達がいる故郷に帰れる」という気持ちが湧き、それを抑制しました。

 中島みゆきに「ホームにて」という傑作があります。この歌は今、聞いても心に染みます。季節にもよりますが、今のような肌寒くなる頃に聞くと一層心に響きます。
 しばらく前にYou Tubeで高畑充希がカバーしているのを聞きました。
https://www.youtube.com/watch?v=8mdoVpSQ7GY
これが実にいい。明るくて伸びやかな声だから長調の歌を大声で歌うのに向いていると思いますが、この歌は抑え気味の声で感情を込めています。演技者ですから、「歌を演じる」のかもしれませんが、素晴らしい演奏だと思います。背景のストリングスもいい響きです。
 それにしても中島みゆきがこれを作ったのが25歳というから恐ろしい。「帰り人」などおかしな造語なのだが、全く違和感がない。まったく驚くべきことです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最近のスケッチ | トップ | 査読 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

うた」カテゴリの最新記事