自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

アファンの森2 糞虫

2012年06月16日 | アファンの森
5月20日のアファンです。

5月は山が春から初夏に様変わりする月なので、野外調査の準備に忙しい月です。アファンには2回行きました。アファンではいくつかのテーマで調査をしていますが、共通しているのは森林管理がそこにすむ動植物にどういう影響を及ぼすかという興味と、雑木林にすむ「ふつうの」生きものの生きているすばらしさを記述しようということです。4年生の池田さんは「鼻つまみもの」への偏見を除きたいと考えてある昆虫群を調べています。そう考えたのは私なのですが、いまは彼女も同じ思いで熱意をもって調査をしてくれています。鼻つまみものというのは、調べているのが糞に集まる虫と死体に集まる虫だからです。こういう昆虫に対して、普通の人は眉をひそめます。でも私たちは考えます。動物が生きている以上、必ずウンチはするし、いつかは死ぬ。それらがそのまま残っていたらたいへんなことになりますが、分解してくれる生き物がいるおかげで、物質循環が順調に進むわけです。そうした役割を担ってくれる昆虫の存在とその働きを示したいということです。そこで少し工夫をしました。糞虫には、糞トラップ(わな)を作りました。麻布大学は獣医系の大学ですから家畜を飼っています。その糞をもらってきてアファンの森に置いたのです。小さなバケツを地面にうめ、上に割り箸を横に渡します。割り箸の中央に糞を入れたティーバッグをぶらさげておくと、匂いにつられて糞虫がきてバケツの底にポトンと落ちるというしかけです。


糞トラップ
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