森ネズミはドングリやそのほかのベリー類などを好んで食べ、昆虫なども食べます。要するに栄養価の高いものを食べるわけです。ところがハタネズミは実やイモなども食べますが、草の葉も食べます。木の実に比べれば草の葉はどこにでもありますから、もしこれが利用できたら、餌の心配がないということになります。ところが哺乳類は植物の葉を消化できません。植物はセルロースという頑丈な物質を含んだ細胞壁をもっていて、哺乳類はそれを消化できないからです。そこで工夫が必要になります。
まず歯ですりつぶすことで細胞壁を破壊し、中の原形質を利用できるようにします。ウシのような反芻獣は胃袋を4つももっていて、一部の胃で植物の葉を発酵させます。つまり自分が消化できないので、微生物に消化させて、利用するのです。考えてみれば、ウシは発酵するための微生物を「飼って」いるのです。たいしたものです。
ところでハタネズミですが、このネズミはいわば「ウシのようなネズミ」で、歯が森ネズミよりも頑丈で摩滅に堪えられる構造になっています。胃袋も特殊化して発酵機能をもっているし、盲腸も大きく、腸も長いのです。もちろん、胃袋が4つに分かれていたり、それぞれが特殊な機能をもっているということはないのですが、植物の葉を消化するための工夫をしているという意味では「ウシのよう」といえるのです。それだけでなく、狭いところで高密度になっても、ふつうのネズミなら妊娠率が下がるのですが、そういう抑制をもっていないので、状況が許せばものすごい数に増えることがあります。有名なレミングはこういうネズミの仲間です。
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以下はちょっと学術的
森ネズミのものはないのですが、代表的なネズミとしてハツカネズミの消化管とハタネズミの消化管の図を探してきました。これをみるとハタネズミの盲腸がよく発達しているのがわかります。
まず歯ですりつぶすことで細胞壁を破壊し、中の原形質を利用できるようにします。ウシのような反芻獣は胃袋を4つももっていて、一部の胃で植物の葉を発酵させます。つまり自分が消化できないので、微生物に消化させて、利用するのです。考えてみれば、ウシは発酵するための微生物を「飼って」いるのです。たいしたものです。
ところでハタネズミですが、このネズミはいわば「ウシのようなネズミ」で、歯が森ネズミよりも頑丈で摩滅に堪えられる構造になっています。胃袋も特殊化して発酵機能をもっているし、盲腸も大きく、腸も長いのです。もちろん、胃袋が4つに分かれていたり、それぞれが特殊な機能をもっているということはないのですが、植物の葉を消化するための工夫をしているという意味では「ウシのよう」といえるのです。それだけでなく、狭いところで高密度になっても、ふつうのネズミなら妊娠率が下がるのですが、そういう抑制をもっていないので、状況が許せばものすごい数に増えることがあります。有名なレミングはこういうネズミの仲間です。
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以下はちょっと学術的
森ネズミのものはないのですが、代表的なネズミとしてハツカネズミの消化管とハタネズミの消化管の図を探してきました。これをみるとハタネズミの盲腸がよく発達しているのがわかります。
とても興味深いあれこれを、ゆっくりと楽しませていただきました。
今回の「牛のようなネズミ」 消化器官図をみて「ははぁ」と思いました。
先生 これは「牛のような」ではなく、ひょっとしたら「馬のような」かもしれませんよ。
牛は胃で発酵させますが、馬は大きな盲腸で発酵させるのです。
ハタネズミの図を見ると、体のわりに巨大な盲腸を持っていて、これはウサギと同じなんです。ウサギは盲腸で発酵させて大事な栄養を作りだしているんですよ。そしてうさぎの消化システムは、牛より馬に似ているのです。
というわけで「馬のようなネズミ」とつながったわけです。
あら? そういえば、童話のシンデレラの魔法の馬車の馬は、確かネズミ取りにつかまっていたネズミですよ。作者のペローは、家の周囲にいるネズミが馬に似ているって知っていたのかしら? (^^)
これからも楽しみに拝見させていただきますね。
なおウサギは盲腸だけでは消化しきれず肛門から糞(といっても軟糞という特殊なものですが)を食べる「糞食」という行動をします。
年寄りの考えなしと思って、お許しくださいね。
でも、ウサギと馬がよく似ているかもしれないとは、馬獣医さんとお話したことがあります。
消化器系の病気も相通ずることがあって、大変興味深く思っています。