乙女高原ではまずらしくありませんが、クジャクチョウがいました。この蝶は、私が「昆虫少年」だった小学生のころ、図鑑の1ページに高山蝶を取り上げたページがあって、キベリタテハなどと共に紹介されていました。大きくなったらみられるようになるかなと夢見ていました。
その図鑑は小学館のもので、クジャクチョウは絵で描いてありましたが、中学生になると保育者の本格的な日本鳥類原色図鑑というのを買ってもらいました。それには写真が載っていました。それを何度も繰り返して眺めましたが、
目玉模様がピントが合わないような感じで、写真のせいなのかなと思っていました。あるとき、本物の標本を見ることがあり、みたら写真の通りで、ピントがあっていないのではなく、小さい模様がくっきりとしないグラデーションになっているのでした。それにしてもこの朱色をベースにし、黒と黄色の模様の中に水色を配すというこの配色は素晴らしいの言葉しかなく、人が思いつくものではないと思います。
その図鑑には、ヨーロッパでは天使の涙が落ちたものと言われていると書いてあり、その例えにも感激しました。
クジャクチョウ
続きがあります。その憧れのクジャクチョウにはあっけないような出会いがありました。東北大学に入学して仙台に行き、郊外に行ったら田んぼの脇にいくらでもいたのです。大感激しましたが、なんだか高山で出会うと思っていたので、農村地帯だったことに、ちょっとがっかりしたような気持ちがありました。
乙女高原はふさわしい場所に違いありません。
ついでみたいでキアゲハには悪いですが、キアゲハの幼虫がシシウドについていて、ほとんど葉が食べ尽くされていました。
キアゲハの幼虫