松尾睦のブログです。個人や組織の学習、書籍、映画ならびに聖書の言葉などについて書いています。
ラーニング・ラボ
柔軟な目標設定
サッカー日本代表や大学選抜の選手を育てている福岡大学サッカー部の乾真寛監督は、選手の状態によって目標設定を柔軟に変えているらしい。
「人はポジティブになっているときなら、どんな大変な目標を設定されても、エネルギーに満ちているからガッツガッツ挑戦することができるんですよ。」
「元気ながないときに、高い目標を示してもダメです。伸び悩んでいるときには、手が届きそうな目標を与えて『やったら、できたでしょ』という感覚を体験させる。」
熟達論では、「適度な難易度の目標設定」が大切だとされているが、その「適度さ」は、その時々の心理状態によって異なるといえる。やる気満々のときには、高い目標が「適度なレベル」になるし、調子の悪いときには、中くらいの目標が「適度なレベル」になるのだろう。
育て上手のリーダー調査をしているときにも、乾監督のようなやり方をしている人が多かった。その人の活性化の度合いに応じて目標設定の仕方を変えることは、成長を促す上で大切なことだ、と思った。
出所:日経産業新聞2010年7月8日
「人はポジティブになっているときなら、どんな大変な目標を設定されても、エネルギーに満ちているからガッツガッツ挑戦することができるんですよ。」
「元気ながないときに、高い目標を示してもダメです。伸び悩んでいるときには、手が届きそうな目標を与えて『やったら、できたでしょ』という感覚を体験させる。」
熟達論では、「適度な難易度の目標設定」が大切だとされているが、その「適度さ」は、その時々の心理状態によって異なるといえる。やる気満々のときには、高い目標が「適度なレベル」になるし、調子の悪いときには、中くらいの目標が「適度なレベル」になるのだろう。
育て上手のリーダー調査をしているときにも、乾監督のようなやり方をしている人が多かった。その人の活性化の度合いに応じて目標設定の仕方を変えることは、成長を促す上で大切なことだ、と思った。
出所:日経産業新聞2010年7月8日
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御言葉はあなたのごく近くにあり
御言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる。
(申命記30章14節)
(申命記30章14節)
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『ビヨンド・エジソン』(読書メモ)
最相葉月『ビヨンド・エジソン:12人の博士が見つめる未来』ポプラ社
日本をリードする12人の科学者を紹介した本である。
アフリカの睡眠病、地震、ウイルス感染、黄砂、人間とコンピュータの対話、アルツハイマーなどなど、彼らの研究テーマは、世の中の問題と強く結びついている。
本書を読んで感じたことは、自然科学の世界で定職に就くことは大変であること、そして、彼らが世界の研究者と戦っていること、である。
同じ研究者として、次の言葉が心に残った。
・「好奇心を持ち続け、チャンスを逃すな」(2章)
・「まず家族があって、それから仕事です」(3章)
・「一番いけないのは、研究を中絶すること。何でもいいからとにかく研究を続けなさい。」(5章)
・「人間は流されるように生きていくものだから、(大学に)呼んでくれる機会には乗るべきだ。」(7章)
・「会議やミーティングは、アイデアの交換をして発展させていく場である」(9章)
・「他人がやれることは他人に任せ、誰もやらないような難しいテーマに挑戦しなさい」(10章)
・「日本人がユニークな研究を発表すると、だいたい海外の研究者から叩かれるんです」(12章)
・「全部はぎとったところにこそ人の命の価値はある」(12章)
全員に共通していたのは、「自分ならではの、自分にしかできない研究テーマ」を持っていること。自分の関心や興味を大事にして、戦い続ける。研究者だけでなく、ビジネスの世界でも同じだな、と思った。
日本をリードする12人の科学者を紹介した本である。
アフリカの睡眠病、地震、ウイルス感染、黄砂、人間とコンピュータの対話、アルツハイマーなどなど、彼らの研究テーマは、世の中の問題と強く結びついている。
本書を読んで感じたことは、自然科学の世界で定職に就くことは大変であること、そして、彼らが世界の研究者と戦っていること、である。
同じ研究者として、次の言葉が心に残った。
・「好奇心を持ち続け、チャンスを逃すな」(2章)
・「まず家族があって、それから仕事です」(3章)
・「一番いけないのは、研究を中絶すること。何でもいいからとにかく研究を続けなさい。」(5章)
・「人間は流されるように生きていくものだから、(大学に)呼んでくれる機会には乗るべきだ。」(7章)
・「会議やミーティングは、アイデアの交換をして発展させていく場である」(9章)
・「他人がやれることは他人に任せ、誰もやらないような難しいテーマに挑戦しなさい」(10章)
・「日本人がユニークな研究を発表すると、だいたい海外の研究者から叩かれるんです」(12章)
・「全部はぎとったところにこそ人の命の価値はある」(12章)
全員に共通していたのは、「自分ならではの、自分にしかできない研究テーマ」を持っていること。自分の関心や興味を大事にして、戦い続ける。研究者だけでなく、ビジネスの世界でも同じだな、と思った。
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自利利他
「自利利他」とは「自分のためと同時に他人のためにもなるように」という考え方。梅原猛さんによれば、大乗仏教の理想であるという。
なお、聖書における一番大事な教え(聖書の黄金律)も「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい(マタイの福音書 7章12節)」である。
宗教は違っても、その本質は似ているな、と思った。
梅原猛「労働は日本人の生きる歓び」「『仕事力(白版)』朝日文庫p.74
なお、聖書における一番大事な教え(聖書の黄金律)も「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい(マタイの福音書 7章12節)」である。
宗教は違っても、その本質は似ているな、と思った。
梅原猛「労働は日本人の生きる歓び」「『仕事力(白版)』朝日文庫p.74
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厳しいが優しい教育
既存店売上高が34カ月間増収の「王将フードサービス」。セントラルキッチン方式をやめて店舗で手作りし、店長に裁量権を与える経営で乗りに乗っている。
同社の成功を支える要因の一つに教育がある。その特徴は「厳しさと優しさ」。
例えば、新入社員が受ける5日間の合宿研修。朝6:30からランニングをし、挨拶や基本動作を叩きこまれ、研修中は、講師の怒号が飛び交う。携帯電話、テレビ、新聞、タバコは禁止で11時には消灯。典型的なスパルタ教育である。
しかし、この厳しい研修を乗り越えると、ハワイでの楽しい研修が待っている。そして、社員の誕生日には書籍が、その奥さんの誕生日にも花束が贈られるという。
自社の教育について、大東社長は次のように述べている。
「自分を切磋琢磨しなければ研修にはならない。愛情を持って育てたいからこそ厳しく指導している。」
最近はほめて育てることが強調されるようだが、「厳しいが優しい」同社の教育手法を知り、「真剣に育てる」ことが大事になるのではないか、と思った。
出所:「地獄からの34カ月間増収」日経ビジネス2010年7月5日号、p.116-118.
同社の成功を支える要因の一つに教育がある。その特徴は「厳しさと優しさ」。
例えば、新入社員が受ける5日間の合宿研修。朝6:30からランニングをし、挨拶や基本動作を叩きこまれ、研修中は、講師の怒号が飛び交う。携帯電話、テレビ、新聞、タバコは禁止で11時には消灯。典型的なスパルタ教育である。
しかし、この厳しい研修を乗り越えると、ハワイでの楽しい研修が待っている。そして、社員の誕生日には書籍が、その奥さんの誕生日にも花束が贈られるという。
自社の教育について、大東社長は次のように述べている。
「自分を切磋琢磨しなければ研修にはならない。愛情を持って育てたいからこそ厳しく指導している。」
最近はほめて育てることが強調されるようだが、「厳しいが優しい」同社の教育手法を知り、「真剣に育てる」ことが大事になるのではないか、と思った。
出所:「地獄からの34カ月間増収」日経ビジネス2010年7月5日号、p.116-118.
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主を畏れ敬うこと、それが知恵
主を畏れ敬うこと、それが知恵 悪を遠ざかること、それが分別。
(ヨブ記28章28節)
(ヨブ記28章28節)
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『クラゲの光に魅せられて』(読書メモ)
下村修『クラゲの光に魅せられて』朝日新聞出版
2008年のノーベル化学賞を受賞した下村先生。受賞理由は、GFPの発見だ。
GFP(緑色傾向タンパク質)は、タンパク質に印をつける道具として、遺伝子研究では欠かすことのできないものだという。
ただ、GFPは計画して発見されたものではなく、発光クラゲの研究中に副産物として発見されたらしい。下村先生は次のように語っている。
「GFPはきれいな緑の蛍光を放ちますが、用途が見つからず、美しいだけが取柄でした。それが遺伝子研究の進歩で急変し、世界中で使われるようになりました。」
「いま自分の過去を振り返ってみますと、私のGFPの発見は、天の導きによるものであり、天は私を使って人類にGFPを与えたのではないかと思います。」
運命の分かれ道は、下村先生が大学を卒業した後、長崎大学薬学部で助手をしていたときにさかのぼる。先生は1年間内地留学することになり、指導教官につきそわれ名古屋大学に行った。そのとき、予定していた教授がおらず、ついでに訪れた平田教授から「いつでも来なさい」と言われたらしい。
下村先生は次のように振り返っている。
「私は平田先生の言葉は天の導きかもしれないと思い、「平田研」に行くことに決めました。この決定が、私を生物発光研究に導いたことになります。」
人生にはいくつかの分かれ道がある。その分かれ道で「天の導き」を感じることができるかどうか。それが、天職にめぐり会うかどうかを決めるのかもしれない、と思った。
2008年のノーベル化学賞を受賞した下村先生。受賞理由は、GFPの発見だ。
GFP(緑色傾向タンパク質)は、タンパク質に印をつける道具として、遺伝子研究では欠かすことのできないものだという。
ただ、GFPは計画して発見されたものではなく、発光クラゲの研究中に副産物として発見されたらしい。下村先生は次のように語っている。
「GFPはきれいな緑の蛍光を放ちますが、用途が見つからず、美しいだけが取柄でした。それが遺伝子研究の進歩で急変し、世界中で使われるようになりました。」
「いま自分の過去を振り返ってみますと、私のGFPの発見は、天の導きによるものであり、天は私を使って人類にGFPを与えたのではないかと思います。」
運命の分かれ道は、下村先生が大学を卒業した後、長崎大学薬学部で助手をしていたときにさかのぼる。先生は1年間内地留学することになり、指導教官につきそわれ名古屋大学に行った。そのとき、予定していた教授がおらず、ついでに訪れた平田教授から「いつでも来なさい」と言われたらしい。
下村先生は次のように振り返っている。
「私は平田先生の言葉は天の導きかもしれないと思い、「平田研」に行くことに決めました。この決定が、私を生物発光研究に導いたことになります。」
人生にはいくつかの分かれ道がある。その分かれ道で「天の導き」を感じることができるかどうか。それが、天職にめぐり会うかどうかを決めるのかもしれない、と思った。
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反応のよい便利屋さん
自動車部品会社のニフコの得意技は、提案型営業。
同社は、自動車メーカーの注文通りに製造するのではなく、技術を知る営業担当者が設計段階から関わり、使いやすく造りやすい部品を提案する。「コストで負けました」は言い訳にならない。不況後の2010年3月期の決算でも、売上高営業利益率は8%と堅調だ。
しかし、ニフコの黄金時代を知り、他社経験もある小俣常務は次のように厳しい指摘をしている。
「ニフコの社員は設計技術と密着営業に優れてはいるが、『反応のいい便利屋さん』。顧客が抱える目先の課題に解決策を見いだすことは得意でも、顧客が想像もしないアイデアを生み出していない」
世の中の提案型営業の多くは、反応のよい便利屋さんになっているように思う。本当の提案型営業のためには、業界の先を読んだ上で、顧客企業の経営状態をつかむ力が必要になるのだろう。
現場に密着した視点と、経営の先をみる視点の両方が必要になる提案型営業。
奥が深い、と感じた。
出所:「客の本音、展示室で聞く」日経ビジネス2010年6月21日、p.50-52.
同社は、自動車メーカーの注文通りに製造するのではなく、技術を知る営業担当者が設計段階から関わり、使いやすく造りやすい部品を提案する。「コストで負けました」は言い訳にならない。不況後の2010年3月期の決算でも、売上高営業利益率は8%と堅調だ。
しかし、ニフコの黄金時代を知り、他社経験もある小俣常務は次のように厳しい指摘をしている。
「ニフコの社員は設計技術と密着営業に優れてはいるが、『反応のいい便利屋さん』。顧客が抱える目先の課題に解決策を見いだすことは得意でも、顧客が想像もしないアイデアを生み出していない」
世の中の提案型営業の多くは、反応のよい便利屋さんになっているように思う。本当の提案型営業のためには、業界の先を読んだ上で、顧客企業の経営状態をつかむ力が必要になるのだろう。
現場に密着した視点と、経営の先をみる視点の両方が必要になる提案型営業。
奥が深い、と感じた。
出所:「客の本音、展示室で聞く」日経ビジネス2010年6月21日、p.50-52.
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