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『アルケミスト』(読書メモ)

パウロ・コエーリョ『アルケミスト』角川文庫

羊飼いだったサンチャゴは、ある日「エジプトのピラミッドに行けば、隠された宝物を見つけることができる」という夢を見る。そして、錬金術師(アルケミスト)をはじめとして、さまざまな人に出会い、導かれながらピラミッドを目指す。

子供時代は誰でも夢を持つが、大人になるとあきらめてしまう人が多い。夢を追い続けるということはどういうことか?それが本書のテーマのようだ。

心に残ったのは次の箇所。

「夢を追求する一瞬一瞬が神との出会いだ」と少年は自分の心に言った。「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ。本気で宝物を探している時には、僕はその途中でたくさんのものを発見した。」(p154-155)

夢をかなえることよりも、夢を追い求める過程に意味がある、というメッセージは深い。次の箇所も印象に残った。

「地球上のすべての人にはその人を待っている宝物があります」と彼の心は言った。「私たちの心は、こうした宝物については、めったに語りません。人はもはや、宝物を探しにいかないからです。」(p.155)

自分を待っている宝物とは何だろうか?それを探すことこそが、人生を生きる意味なのだろう。しかし、自分の追い求めている宝と、用意されている宝が違うことが多いような気がする。

夢を追い続けることは大事だが、その夢が追い続けるべきものかを考えることも大切だと思った。
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