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『太郎に訊け』(読書メモ)

岡本太郎『太郎に訊け:岡本太郎流爆発人生相談』青林工藝舎

いままで岡本太郎の本を手に取ったことは何度かあるが、内容のあまりの激しさに「たぶん読み続けられないだろう」と思い、買わなかった。

今回の本は「若者への人生相談」形式だったので購入した。ちなみに内容は30年前に週刊プレイボーイに連載されていたものである。

本質をつく発言を読むうち、すっかり岡本太郎ファンになってしまった。心に残った言葉は以下の通り。


「ぼくはパリで、人間全体として生きることを学んだんだ。画家とか彫刻家とか一つの職業に限定されないで、もっと広く人間全体として生きる。これがぼくのつかんだ自由だな。だからぼくは、ただ職業の中だけで生きるなんて、実につまらないと思っている。」

「金と名誉を捨てたら人間の"生命"がのこるんだ。つまり、人間のほんとうの存在だけが生きる。社会に生きる人間は、金とか名誉というものを考えるから、存在感を失ってしまうんだ」

「自分はどう生きていかなければならないか、どうして生きていかなければならないのか、どんなふうに生きるべきか、"生きる"ことを模索し、身をもって問題にぶっつけることが、ほんとうの勉強なんだ。」

「人生は、他人を負かすなんてケチくさい卑小なものじゃない。いちばん大切なのは、自分自身にうち勝って、自分の生きがいを貫くこと、これがいちばん美しいことなんだよ。」

とにかく「金や名誉や他人にとらわれずに、自分と戦い、人間全体として生きろ」というメッセージは心に響いた。

いちばん強烈だったのは「いま漠然としているから、永遠に漠然としちゃうんだ。具体的な夢をいまもっていないといけないんだ。」という言葉。

そんなこといったって、なかなか夢が見つけられないのが現実です、というインタビューアーに対し「こうしなければというはあるわけだろう。それが具体的な夢なんだ。」と答えている。

こんなふうに生きてみたいという「筋」を見つけることが、より良い人生を歩む鍵だと感じた。
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