大きな失敗を怒ると、人は潰れる

先日紹介した菊池恭二さんの本の中で、心に残っているのが次の言葉。

「大きな失敗を怒ると、人は潰れる」

菊池さんは次のよう語っている。

「程度の軽いミスとか、基本的な礼儀がなっていなかったりしたときなどは、「お前、アホか」と叱りつけたりしますが、大きな失敗をしたときは、逆に怒らないようにしています。それこそ取り返しのつかないような大失態をしたときなどは、ちょっと怒れない。下手をすれば、その人を潰しかねないからです。」

では、どうすればいいのか？

「自ら失敗と向きあえるようにじっくり話を聞いて精神的にサポートするように心がけています。(中略）失敗したことを誰よりも悔いているのは本人です。その気持ちをどうやってプラスのエネルギーに変えて、人間として職人として成長させてやるか、それを考えてやるのが親方、棟梁の務めだと思います。」

失敗から逃げず、向かい合い、プラスのエネルギーに変えていく。教育者・管理者の責任は大きい、と思った。

出所：菊池恭二著『宮大工の人育て』祥伝社新書